【香港チャンピオンズデー】杉山晴厩舎 ガイアフォース&ルガルで栄冠奪取!

2025年4月23日(水)5時30分 スポーツニッポン

 国内G1はひと休みだが、JRA海外馬券発売対象レースとなる「香港チャンピオンズデー」のG1・3競走が27日、シャティン競馬場で行われる。遠征する日本勢8頭のうち2頭は杉山晴厩舎の管理馬。JRAリーディングを独走するトップトレーナーは「チャンピオンズマイル」にガイアフォース、「チェアマンズスプリントプライズ」にルガルを送り込む。期待の2頭で海外G1初制覇を狙う。

 杉山晴厩舎は今年JRA23勝。次位の上村厩舎(15勝)を大きく引き離して全国リーディングを独走している。特筆すべきは層の厚さ。昨年の有馬記念から先週の皐月賞まで、さまざまな条件のJRA・G1に7戦連続で管理馬を送り出している。そして、“G1休肝日”のはずの今週末も海を越え、2頭で香港チャンピオンズデーに参戦する。

 厩舎初の海外遠征だった19年ドバイワールドCのケイティブレイブはレース前日に疝痛(せんつう)を発症し無念の出走取消。初めて異国の地で管理馬のレースを見届けたのが香港だった。20年の3冠牝馬デアリングタクトで21年クイーンエリザベス2世C(3着)に挑戦。異なる環境下での調整の難しさを知るトレーナーは「初めての遠征はどんな馬でも当然リスクを伴う」と話す。

 チャンピオンズマイルに出走するガイアフォースは初めて異国の地を踏む。だが、「幸運にもルガルも遠征するので一緒に検疫厩舎に入れたというのが非常に大きかった」。昨年の香港スプリント(11着)にも挑戦した僚馬との共同戦線。名門の層の厚さゆえのアドバンテージが、海外G1初制覇へのスパイスになる。

 芝砂の二刀流ガイアフォースはさまざまなカードの中から、このレースを選択。「ワンターンがいい馬で国内のマイラーズCも候補としてあったが、年齢も年齢なので海外に挑戦できる時にチャレンジしておこうと決めた」と明かす。シャティン競馬場が西洋のバミューダグラスを基盤とする洋芝コースであることも理由の一つで「9日の追い切りに騎乗した川田騎手が“香港の力がいる洋芝が合わないことはないでしょう”と言ってくれた」。日本勢にとっては16年モーリス以来の同レース制覇に挑む。「国内最後の追い切り(14日)も凄く良かった」と絶好調の芦毛馬が大仕事をやってのけるかもしれない。

 チェアマンズスプリントプライズで逆襲を期すルガルは、暮れの香港スプリント大敗が糧となっている。師は「賢い馬なので普段のルーティンから外れて戸惑う面があった。馬が“いつレースなのかな?”と思ったのか、メンタルが当日までにピークアウトしてしまった。それが出遅れにつながったのかも」と分析。「今回は検疫厩舎でも2回目だなという雰囲気だった。賢いので(レース当日までの過程を)思い出してくれるのではないかな」と高い学習能力に期待を寄せる。

 前走の高松宮記念(7着)は2桁馬番が掲示板を独占する特殊な馬場に泣いた。「前に行った馬の中では辛抱していたと思う。左回りと右回りの左右差を感じるところもあった」といい、24年スプリンターズSを含む芝での全3勝を挙げている得意の右回りに替わるのもプラス材料だ。「高松宮記念から間隔が短いので強い調教はいらないし、それもかえって調整がしやすい」。地元の雄カーインライジングを撃破し、日本馬初の栄冠を手にする準備は整いつつある。

 ◇杉山 晴紀(すぎやま・はるき)1981年(昭56)12月24日生まれ、神奈川県出身の43歳。04年から栗東・武宏平厩舎に所属し、調教に携わったスリーロールスで09年菊花賞を制した。16年10月に厩舎開業。18年目黒記念をウインテンダネスで制し、重賞初制覇を飾った。20年はデアリングタクトで牝馬3冠を達成。23年に55勝を挙げ、調教師リーディングに輝いた。父親の仕事の関係で幼少期は香港で過ごした。「5年ぐらいかな。あまり記憶にはないですけど」と師。JRA通算2857戦327勝(うちJRA重賞23勝)。

 《香港で順調調整 陣営「問題なし」》杉山晴厩舎の2頭は現地シャティン競馬場で調整中。火曜朝はともにオールウェザーコースを1周半流した後、パドックをスクーリング。香港ジョッキークラブの公式ニュースによると、平岩技術調教師は「2頭とも落ち着いていて調整は順調に進んでいます。パドックでもリラックスしていたし、問題ないと思います」とコメントした。

スポーツニッポン

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