47歳プロボクシング国内最年長チャンピオン、敵地ソウルで王座統一戦へ「年齢で注目され、同世代の励みになればうれしい」世界進出へつなげる
2025年4月24日(木)5時0分 スポーツ報知
26日に敵地ソウルでユン戦に臨む野中悠樹 21日に堺市内で(カメラ・田村龍一)
47歳のプロボクシング国内最年長チャンピオン、東洋太平洋スーパーミドル級王者・野中悠樹(ミツキ)が26日、敵地ソウルでWBOアジアパシフィック同級王者・ユン・ドクノ(韓国)との王座統一戦に臨む。勝てば、自身がもつ日本ボクシングコミッション(JBC)公認の国内男子の王座奪取の最年長記録を47歳4か月に更新する。「年齢で注目され、同世代の励みになればうれしい」と喜ぶ一方、「目標は世界」と明言。目指すのはあくまでも、長年追う世界初挑戦初奪取だ。
プロボクサー生活は四半世紀あまり。デビュー後に生まれたまな娘2人は長女が23歳の社会人、次女が19歳の大学生になった。「あまりボクシングに興味がある感じではない」と笑う表情は、リング上とは別人のような父親の顔だ。最近5戦は、服飾関係の仕事をする長女が作ってくれたガウンを着て入場し、戦績は3勝2敗。最初の2戦で連敗も「このままでは終われん」と“親父の意地”で3連勝。今回の一戦に、こぎ着けた。
相手のユンは29歳で右構え。ベテランサウスポーの野中が勝てば、現在は外れている世界ランキングに復帰する可能性がある。デビュー時からタッグを組むセコンドの桂伸二トレーナー(53)は「キャリアを重ねるごとに左のキレ、ディフェンスが良くなっている」と期待。野中は「泥臭くてもいいので、勝ちに徹する。敵地で明確に勝ち、世界へつなげる」と誓った。
“中年の星”は23日、関西空港からソウル入り。生き残りをかけた決戦のゴングを待つ。(田村 龍一)
◆野中 悠樹(のなか・ゆうき)1977年12月10日、兵庫・尼崎市生まれ。47歳。19歳の時、尼崎ジムでボクシングを始める。アマ2戦2勝。99年、プロデビュー。2008年、日本スーパーウエルター級王座獲得。09年、東洋太平洋同級王座獲得。14年、日本同級王座再獲得。19年、東洋太平洋とWBOアジアパシフィックミドル級王座奪取。ミツキジム所属の24年、東洋太平洋スーパーミドル級王座獲得。プロ通算38勝(11KO)12敗3分け。身長182センチ、左ボクサーファイター。
◆高齢ボクサーの王座奪取 JBC公認の国内男子の王座奪取の最年長記録は、昨年4月に東洋太平洋スーパーミドル級王者となった野中の46歳3か月。世界王座に限れば16年9月、WBCスーパーバンタム級王座を奪取した長谷川穂積の35歳9か月。海外ではバーナード・ホプキンス(米国)が13年3月、48歳2か月でIBF世界ライトヘビー級王者となった。