「勝ちがつけば本当はよかった」巨人・大勢、雄たけびのウラに先輩への思い「背負いながらやられているので」
2025年4月24日(木)5時15分 スポーツ報知
8回2死二塁、板山を空振り三振に仕留め、雄たけびをあげる大勢(カメラ・小林 泰斗)
◆JERA セ・リーグ 巨人2—0中日(23日・東京ドーム)
気迫の咆吼(ほうこう)だった。巨人・大勢投手(25)が勝利への道筋をつくった。奪ったアウトは全て三振。雄たけびを上げて無失点リレーをつなぎ、直後の大城卓のV弾を呼び込んだ。「自分が抑えた後に試合がいい方向に動くのはやりがいを感じます。チームが勝ててよかった」。今季クローザーからセットアッパーに転向した男は、プロ通算6勝目、今季初勝利に胸を張った。
マルティネスと並んで肩を温め、0—0の8回から登場。先頭に安打を許したが、最速157キロの剛球を軸に細川、中田、板山をねじ伏せた。本音は、連続イニング無失点を28に更新した山崎に白星がつくのが理想。「伊織さんが引き続きすごい投球をされていたので、勝ちが伊織さんにつけば本当はよかった。いろんなものと戦いながら背負いながらやられているので」。試合後は真っ先に後輩として思いを口にした。
苦労を知るからこそ抑えたかった。入団時、1学年上の山崎は右肘トミージョン手術の影響でまともにボールを投げられていなかった。井上と2人で3軍戦の補助をしていた過去も教えてもらったことがある。自身も故障と闘った過去があるだけに、「ボールボーイをしてたんだなって。その伊織さんが記録だったり、1軍で活躍している姿を見られて素直にうれしいんです。苦労してマウンドに立っていると思うと、より勝利に貢献したいって気持ちになる」と実感を込めた。
持ち場が変わった今季も8登板中7試合が無失点と貢献は続く。魂の15球で伊織先輩から始まった完封リレーをつなぎ、巨人に大きな1勝をもたらした。(堀内 啓太)