巨人・山崎伊織 球団タイ開幕28イニング連続無失点!4勝目お預けも粘りの5回零封
2025年4月24日(木)5時30分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 巨人2—0中日(2025年4月23日 東京D)
巨人・山崎伊織投手(26)が23日、中日戦に先発し、走者を許しながらも5回を103球で5安打無失点に抑えた。開幕からの連続無失点を「28イニング」に伸ばし、07年高橋尚成の球団最長記録に並んだ。打線の援護がなく開幕4戦4勝とはならなかったが、ゼロ行進は継続。8回に大城卓三捕手(32)が均衡を破る決勝の2号2ランで試合を決め、チームは2連勝で貯金を3に増やした。
5回だが腹をくくって最後の力を振り絞った。2死一、三塁。山崎は相手4番・細川を149キロ直球で右飛に仕留めると、何度もグラブを叩き、ほんの少しだけ口元を緩めた。5回5安打無失点で開幕からの連続無失点を「28イニング」に伸ばし、球団記録に並んだ。
「正直、あんまり状態は良くなかった。それでも何とか粘って、試合はつくれたかなと思います」
今季最も苦しんだ。それでも、偉大な記録に肩を並べた。初回から28球を要するなど中日打線に粘られた。調子が上がらない中、長いイニングを投げるのではなく、目の前のアウトを重ねることにシフト。初回の2死一、二塁に続き4回は1死満塁。5回途中で100球を超えるなどピンチの連続だったが「投げても6回まで」と力投を続けてホームだけは踏ませなかった。
開幕直前に下した勇気ある修正が好投を支える。開幕投手にも名が挙がったが、オープン戦5試合で防御率6・48。キャンプから改良に取り組むフォークが決まらず苦しんだが、開幕前に内海投手コーチの助言で握りを浅くした。結果、フォークの平均球速は昨季の137キロから141キロへと上がり、面白いように空振りを奪える決め球へと進化した。
もう一つはテイクバック。「力感とボールのギャップがあれば、打者を差し込めるんじゃないか」とわずかだが、右手の動きを小さくしたことが相手打者を詰まらせていると分析。この日も要所では相手のバットを押し込みピンチを脱し「ピンチで粘れた結果、チームも勝てて良かった」と渾身(こんしん)の103球を誇った。
次回登板で1イニングを無失点に封じれば球団記録更新となるが「いつかは打たれる。その時に気持ちをしっかり持って投げたい」。難攻不落の右腕は、次もチームの勝利を最優先にマウンドへ向かう。(村井 樹)
≪あと3イニングでリーグタイ記録≫山崎(巨)が07年高橋尚成に並ぶ球団最多の開幕から28イニング連続無失点を達成。開幕からの最多連続イニング無失点は39年高橋敏(阪急)の38回1/3でセの記録は63年中井悦雄、23年村上(ともに神)の31イニング。山崎はあと3イニングでリーグタイ記録となる。