日本ハム・奈良間が2年ぶりアーチ!ユーティリティー脱却へ「良い結果になりました」
2025年4月24日(木)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 日本ハム3—8楽天(2025年4月23日 エスコンF)
日本ハム・奈良間大己内野手(24)が23日、楽天戦に「8番・二塁」で出場し、6回に滝中瞭太投手(30)から左越え1号ソロを放った。7点ビハインドの苦しい展開の中で、新人で2本塁打をマークした23年以来2年ぶりの一発でファンを盛り上げた。7回には吉田賢吾捕手(24)も右越え3号ソロ。チームは2連敗を喫したが、若手の奮闘が光っている。
あふれんばかりの笑みがこぼれる。ダイヤモンドを一周する奈良間は、猛烈に喜びを爆発させていた。新人だった23年8月8日の西武戦(エスコン)以来、2シーズンぶりのアーチ。久しぶりの感触だっただけに、派手に喜ぶのも無理はなかった。
「久しぶりに芯に当たった感覚がしました。引っ張りにいって良い結果になりました」
0—7で迎えた6回先頭だ。1ボールから滝中の142キロ外角直球を迷わず振り抜いた。打球はライナーで左翼フェンス奥の敵陣ブルペンへ飛び込む待望の1号ソロ。来日初登板した古林睿煬(グーリン・ルェヤン)が6回までに7失点と大敗ムードが流れる中、チームの元気印がスタンドを盛り上げた。
伏線があった。3回1死で迎えた1打席目は中飛。一塁コーチャーで見ていた谷内内野守備走塁コーチから「思い切り、自分が思うように打った方が良い結果出るぞ」と、助言が送られていた。2試合ぶりのスタメンで結果を求めすぎていたのかもしれない。「1打席目をしっかり振り返り、2打席目を迎えられたのが良かった」と感謝した。
複数ポジションを守れる貴重なユーティリティー。試合前練習では必ず内野全ポジションで打球を受けるなど準備は怠らない。だが、現役時代にユーティリティーとして活躍した谷内コーチは「もともと、奈良間は打てる選手だから。貪欲にレギュラーを目指して欲しい」と、期待を込める。今は編成上の都合でユーティリティーとして重宝されているが、まだ24歳。控えに徹するには早い、という親心があった。
昨季までは本拠地での勝利時に限り、グラウンドでの一本締めが恒例行事だった。しかし、チームの方針で一本締めは昨季までで終了。昨年一年間、一本締めの音頭を取ってきた奈良間は「職を失いました!」と冗談交じりに語っていたが、大事な本職がある。開幕から二遊間が固定されていない状況で、定位置奪取へ頭角を現してきた。(清藤 駿太)