勝敗を左右する5番、巨人の大城卓三が2試合連続アーチ…「与えられた全部の立場でいい準備を」
2025年4月24日(木)6時0分 読売新聞
8回1死1塁、2ランを放ち右手を突き上げる大城卓(23日)=片岡航希撮影
巨人2—0中日(セ・リーグ=23日)——巨人は八回に大城卓が2試合連続本塁打となる2ランで均衡を破った。山崎が5回無失点と好投し、継投で零封した。中日は得点機であと1本が出なかった。
本塁打を確信した巨人の大城卓が、人さし指を突き上げる。打った直後にそれと分かる大飛球は右中間席深くに届いた。5番打者の2試合連続アーチとなる2ランが、意地のぶつかり合った投手戦の均衡を破った。
両先発が5回無失点で試合を作り、それぞれの救援陣もあと1本を許さない。0—0のまま迎えた八回だ。先頭の吉川が死球で出て、一死一塁となり打席へ。中日・マルテの速球に差し込まれて追い込まれたが、「タイミングを含めて変えた」とすぐさま修正を試み、156キロを見事に仕留めた。
開幕から甲斐に先発マスクを譲り、代打での出場も少なくなかった。それでも、実戦での打席が限られる中で、来たるべき出番への備えを怠らなかった。「代打だったり、一塁だったり、捕手だったり、与えられた全部の立場で、いい準備ができるようにしたい」と、チームリーダーとしての自覚ものぞく。
ペナントレースを勝ち抜く上で、阿部監督がポイントに挙げるのが、5番打者だ。昨季は固定しきれず、打線がつながりを欠いて得点力が上がらない要因となった。大城卓の働きについて、指揮官は「岡本が勝負してもらえる。いい効果」とうなずいた。吉川、岡本と3、4番が好調なだけに、勝敗を左右する立場と言っても過言ではない。
東海大の後輩でもある山崎や中継ぎ陣の踏ん張りに、奮い立った一発でもあっただろう。「チャンスで回ってくる確率は高い。もっと打てるように頑張りたい」と大城卓。長打力もある左打者が好調を維持できれば、チームを加速させる原動力になる。(平山一有)