異例の3軍降格…浅野翔吾が精神的な辛さ激白「気持ちの面でどんどん不安になっていく自分がいた」
2025年4月26日(土)5時5分 スポーツ報知
3軍降格の浅野(奥)は、BC神奈川戦前の円陣で駒田3軍監督(手前)の訓示を聞く(カメラ・小島 和之)
◆独立リーグ交流戦 BC神奈川3—8巨人3軍(25日・俣野)
巨人の浅野翔吾外野手(20)が25日、1軍経験者としては異例の3軍降格となった。降格即、BC神奈川との独立リーグ交流戦(俣野)に「1番・中堅」で先発出場し、「積極性」をテーマに1安打3出塁で3得点をマーク。2軍戦で打率0割台と不振にあえいできた状況を「気持ちの面で、どんどん不安になっていく自分がいた」と振り返り、再び1軍で輝くため「泥臭くやっていきたい」と、どん底からはい上がる決意を激白した。
結果を残せなかったふがいなさや悔しさを受け止め、浅野は話し始めた。3軍に1軍経験のある支配下選手が降格するのは極めて異例。現実に向き合い、決意を込めた表情で言葉を紡いだ。
「本当に結果の世界なんで。(降格は)仕方ないことだと思いますし、それをもう受け止めるしかない。ここからまたやり返すじゃないですけど、しっかりと(求められていることを)するしかない。泥臭くやっていきたい」
思い描いていた3年目とは違った。初の開幕スタメンを目指してキャンプから1軍に食らいついてきたが、開幕直前に2軍降格。状態は上がらず、2軍では20試合で打率9分1厘、0本塁打、6打点と不振にあえいだ。現状を打破しようともがくも、好転しない状況は精神的にもきつかった。
「気持ちの面で、どんどん不安になっていく自分がいた。やっぱりどんどん積極的にいって、自信をつけていくしかないと思う」
24日、G球場での2軍全体練習後に降格を告げられた。初実戦となったBC神奈川戦では「積極性」をテーマに再出発。初回先頭では2ボールから直球を振り抜き、左前へ運んだ。
「ここ最近は(打席内で)待って、待って、追い込まれて三振が多い。(3軍は)試せるところでもあると思う。自分に足りないところが積極的じゃないところ。参加じゃなくて降格なので、しっかりとしたチームの方針を守りながら、なんとかやっていければ」
阿部監督は25日付本紙でインタビューに応じ、浅野や秋広の名を挙げて「1、2、3軍の監督でリモートで話したけど、2軍で打率1割とかだったら3軍に落としましょうって。そういう厳しさがないと、はい上がる力は養えないと思う」と語った。厳しい指摘を受け止めて、前に進む覚悟だ。
「戦力になっていないのはもちろんですし、そこを受け止めないと、いつまでたっても成長しない。自分が成長したいところをどんどんやってみる。ダメだったらやり方を変えたりしないといけないと思いますけど、積極的に打ってこうやって安打も出ている。今は積極的にやるところが自分の中で一番大事」
走攻守の全てに思い切りの良い“浅野らしさ”を取り戻すこともテーマになる。この日は初回の安打の後、5回2死一塁では四球、7回先頭では死球で出塁。3度とも生還して勝利に貢献した。
「打撃だけでもなく、守備だけでもなく、走塁だけでもなく、本当に全部ができるように求められていると思う。しっかりとやっていきたい」
全ては再び1軍のグラウンドに立つために。泥にまみれる覚悟はできている。(小島 和之)
◆昨オフ以降の浅野
▽オフ 「70打点」を目標に掲げ、地元の香川で単独トレ。「自由に時間が使える」と、1日で600スイング以上振るなど猛練習を積んだ。
▽春季キャンプ 3年目で初の1軍スタート。第1クール最終日は阿部監督から「全く目立ってない」と、マンツーマンで約40分の鬼ノックを受けた。
▽オープン戦 14試合で打率2割2分2厘。守備でも課題が残り、3月23日のロッテ戦(東京D)後に開幕2軍が決定。