【青葉賞】「ついにお待たせしました!」JRA史上〝最速〟ルメール2000勝達成 1番人気馬で雨中の豪快差し切り

2025年4月27日(日)6時30分 スポーツ報知

ルメールは2000勝達成のプラカードを指さし笑顔

◆第32回青葉賞・G2(4月26日、東京競馬場・芝2400メートル、良=2着までに日本ダービーの優先出走権)

 第32回青葉賞・G2が26日に東京競馬場で行われ、1番人気のエネルジコがゴール前で差し切り、デビュー3連勝で重賞初制覇。2着のファイアンクランツとともに日本ダービー・G1(6月1日、東京)の優先出走権を獲得した。クリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=は外国人騎手として初のJRA通算2000勝を達成。初騎乗から9085戦目の到達は、史上最少記録となった。

 レース前に突如、降り始めた大粒の雨。波乱気配も立ちこめるなか、1番人気のエネルジコが豪快な差し切りを決め、無傷3連勝で日本ダービーへの出走権を手にした。「ずっと伸びてくれて。前の馬も頑張っていたから最後の最後で届いた」とルメール。初コンビだったパートナーの決め手とゴールまで諦めない気持ちをたたえた。

 まずまずのスタートを決めると道中は無理せず後方に待機した。大外に進路を取った直線で先頭争いをするライバルを目がけてスパート。息の長い末脚を発揮してゴール寸前でファイアンクランツを首差かわした。前走のセントポーリア賞は大きく出遅れながら快勝。初の重賞でも強さは変わらなかった。

 鞍上は外国人ジョッキーとして初、史上10人目、現役5人目となるJRA通算2000勝を達成。9085戦目での大台到達は武豊の1万81戦を抜き、史上最速となった。「あと1」として迎えたこの日は4Rから5鞍に騎乗して〈4〉〈2〉〈5〉〈3〉〈2〉着と惜敗が続いたが、メインで勝負強さを発揮。「ついにお待たせしました! トップ10人のグループに入れてうれしいです」。最終12Rも勝利し、笑顔があふれた。

 節目のVを飾った鞍上に導かれた無敗馬は、型にはまらないタイプなのかもしれない。高柳瑞調教師は「調教の感じと競馬がいい意味でリンクしない」と表現。この中間も不安が先行していたが、終わってみれば先頭でゴールを駆け抜けていた。ルメールも「何回も手前を替えていてまだ子供」と発展途上と明言するだけに、可能性は底知れない。

 順調なら次戦は世代の頂上決戦となる。今年から春の東京開幕週に施行時期が変更となったダービートライアル。「(本番まで)1週間延びて、その違いはあると思う。最近は詰めて使うのは少ないし、この馬にはいい」と、指揮官は中4週で臨めることを歓迎した。

 日本競馬の歴史に新たな1ページを刻んだ鞍上は「リラックスして走っていたので2400メートルは問題なかった。さらに良くなると思うのでダービーはトライしないといけない」とG1馬たちが相手となる大一番をイメージ。陣営の常識を上回ってきたドゥラメンテ産駒が“勝てない青葉賞組”のジンクスを打ち破る。(浅子 祐貴)

 エネルジコ 父ドゥラメンテ、母エノラ(父ノヴェール)。美浦・高柳瑞樹厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は3戦3勝。総獲得賞金は7349万円。重賞初勝利。馬主は(有)シルクレーシング。

スポーツ報知

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