西武・隅田 AIの助言で7回無失点 最下位脱出の快投!同僚・今井の0.69抜き防御率0.58
2025年4月27日(日)5時30分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 西武3—0オリックス(2025年4月26日 ベルーナD)
緩急を駆使する「精密機械」の頭には「チャットGPT」の助言があった。西武・隅田は登板前「チームの連敗を止めるには?」とスマホで質問し、同AIから「攻めて、1球で空気を変えろ」と回答されていた。
実践したのは初回。先頭から連打を浴び無死一、二塁を招くと1球で空気を変えた。「制球も良くないし、ボールも走ってない。腹をくくって攻めよう」と4割打者(.406)太田の内角に150キロ直球を投げ込んだ。足を後ろに引かせて見逃し三振。これで勢いづき、7回7安打無失点で無傷の4勝目を挙げ、リーグ単独トップに立った。「辛抱強くバッターを攻めていけた」。AIの進言通りにチームの連敗を4で止め、最下位脱出だ。
チャットGPTを使い始めたのは開幕2週間前。「奪三振王に必要な数字は?」と聞き、予想登板数から算出した1試合の必要三振数を表にさせたのが始まりだ。登板前に鼓舞してもらうのは「面白半分」と笑う。新NISAを検討中で「次は投資について相談します」とも続けた。
26イニング連続無失点で防御率0.58とし、今季初の2桁11奪三振。三振数は最大のライバルになるトップの今井と5差のリーグ3位だが、防御率は同腕の0.69を上回りトップに立った。同一チーム2人の「月間防御率0点台」は、球団では1956年6月の畑隆幸&島原幸雄以来、69年ぶりの快挙。西口監督は「今井も隅田も、本当に頼もしい」と称賛した。
左の精密機械はデーゲームに向け、体内時計も調整した。普段は深夜2時就寝を3時間無理やり早め、4時間早い午前7時に起床して臨んだ。自主トレも共にし、公私で今井を慕う隅田は「今井さんの方が凄い。2人ともチームが勝つためにやっているので競っている感じはない」。左右の両輪が大きな相乗効果を生んでいる。(神田 佑)
≪2リーグ制以降16組目≫隅田は今月31イニングを投げて防御率0.58。月間防御率は30イニング以上が条件で、前日には今井が4月の月間防御率を0.30として、61年稲尾和久の球団記録に並んだ。同一チームで月間防御率0点台の投手が2人は、14年4月のオリックスの西勇輝&金子千尋以来11年ぶりで、2リーグ制では16組目。球団では56年6月の畑&島原以来、69年ぶりとなった。