ベンチに戻った巨人の大勢、指揮官に「絶対に負けたくない」と告げられうなずいた
2025年4月30日(水)6時0分 読売新聞
12回無死、好捕した増田大に笑顔を見せる大勢(29日、東京ドームで)=大石健登撮影
巨人4−3広島(セ・リーグ=29日)——巨人がサヨナラで広島戦初勝利。七回以降は6投手のリレーで相手を2安打に封じ、延長十二回に甲斐の犠飛で試合を決めた。広島は守りのミスが響き、4連敗。
延長十一回、広島の1〜3番を3者連続三振に仕留めてベンチに戻った巨人の大勢に、阿部監督が声をかけた。「9連戦の頭は絶対に負けたくない」。うなずいた大勢は「この試合に懸ける思いをすごく感じた」と、今季初の「回またぎ」となる十二回のマウンドに上がった。
先頭は、2ランを含む全3打点を挙げていた4番末包。詰まって中前に落ちそうな当たりを、増田大が飛びついて好捕し、もり立てる。二死から左前打を許したが、「踏ん張れば最後勝ち越してくれると信じた」。矢野を151キロで二ゴロに打ち取り、仕事を全うした。
その裏、大勢の踏ん張りに野手陣が応える。ともに無安打だった吉川と岡本に連打が出て、門脇の犠打で一死二、三塁に。甲斐の犠飛で三塁走者の吉川が生還し、歓喜の輪ができた。大勢とお立ち台に上がった甲斐は「チーム全員で勝った」と喜びに浸った。
先発の井上を継投した6投手が無失点リレー。九回は末包の打席で、左腕の高梨から船迫にスイッチ。追いついた直後の十回は守護神のマルティネスに託した。大勢に2イニング目を任せたのは、指揮官の「負けられない」との覚悟の表れだ。
2季ぶりに2回を投げた大勢は胸を張った。「連戦の頭に投手をいっぱい使うというチームの思いを、一人ひとりが理解して投げた結果が勝利につながった」。執念の采配に選手たちが応え、広島戦の連敗を3で止めた。(浜口真実)