丹内祐次騎手が感謝する岡田繁幸氏とのエピソード 呼び出された事務所で飛び込んできた光景が一番印象的
2025年5月2日(金)6時30分 スポーツ報知
丹内祐次騎手
第171回天皇賞・春・G1(5月4日、京都競馬場・芝3200メートル)でマイネルエンペラー(牡5歳、栗東・清水久詞厩舎、父ゴールドシップ)に騎乗する丹内祐次騎手は、“マイネル軍団の総帥”こと岡田繁幸氏と知り合い、ビッグレッドファームグループの馬に騎乗する機会が増えたことが、現在の活躍につながっていると語る。「言うことがすごく面白くて、多くの人が周りに集まってすごかった。本当にかわいがっていただいた」と丹内騎手は21年に亡くなった同氏への感謝を忘れていない。印象に残るエピソードを聞くと、たくさんあるであろう思い出の中から2つの出来事を教えてくれた。
牧場で騎乗していた際に「話があるから来てくれ」と突如、事務所に呼び出された丹内騎手。珍しいことに「何だろう…」と不安を抱きながら向かった先に飛び込んできたのは、パイプ椅子にまたがる総帥の姿だった。当時、来日していたライアン・ムーア騎手を引き合いに「丹内くん、馬はこう追うんだ!こうやるんだ!」とガコンガコンと追って見せた様子に「あんな風にパイプ椅子に乗って追う人を初めてみた。あれが一番印象に残っている(笑)」と当時を懐かしく振り返った。
もうひとつも牧場での話。同氏がデビュー前の期待馬をピックアップして丹内騎手が感触を確かめる機会があった。用意された全頭の調教を終えた丹内騎手はスズカフェニックス産駒が一番良かったことを伝えた。良血馬の高評価を期待していた総帥は少し残念そうな表情を浮かべて「ディープとか色んなのに乗せたけど、スズカフェニックスかぁ」とつぶやいたが、そのスズカフェニックス産駒は後にNHKマイルCを制すマイネルホウオウだった。