9回の大ピンチで巨人・阿部監督が異例の行動 田中瑛斗、徹底してシュートでホームゲッツー…救援陣7投手が無失点リレー
2025年5月2日(金)5時20分 スポーツ報知
9回2死二、三塁、菊池涼介を三ゴロに抑えた田中瑛斗(カメラ・小林 泰斗)
◆JERA セ・リーグ 巨人4×—3広島=延長12回=(1日・東京ドーム)
大ピンチで阿部慎之助監督(46)は一塁ベンチを飛び出した。同点の9回無死満塁から田中瑛がファビアンを遊—捕—一のホームゲッツーに抑えた後、投手交代のタイミング以外では今季初めてマウンドに足を運んだ。右腕に「悔いのないボールでいこう!」と声をかけた。異例の行動で気合を注入した。
「見え見えでもいこうと。その意思確認をしにいって。シュートしかないと思うんだけど」。投手コーチに託すのではなく、直接伝えたかった。熱い思いは届いた。菊池をシュートで三ゴロ。勝ち越しを阻止すると、東京Dが大歓声に包まれた。
延長戦では10回を7番手の大勢、11回から2イニングをケラーが無失点に抑えた。連投中のマルティネスも試合途中はブルペンで体を動かしていたが、先を見据えて3連投させたくなかった。「セーブ機会があれば行くって言ってくれていた。昨日8球しか投げてないからと。だけど、延長ではもう他の投手でしのぐって決めましたので」。登板数が増えている中川も使わず乗り切った。
先発の田中将が3回3失点で降板後、救援陣は計7投手無失点リレー。これで4月27日の阪神戦(甲子園)からリリーフ投手のべ20人で21回無失点と驚異的な安定感が光る。同29日の広島戦(東京D)も大勢が回またぎで延長サヨナラ勝ち。鉄壁ブルペンの柔軟な運用が好循環を呼んでいる。
野手はベンチ入り全員を使い切り、執念のサヨナラ勝ち。「野球は不思議ですよね。16本(ヒット)打たれても3点で抑えられるっていう。ピッチャーもそうだしもう誰もいなかったのでね。本当に全員で勝った1勝。すごくいい素晴らしい価値ある1勝だった」。執念で4時間39分の大熱戦を制した。(片岡 優帆)