【高校野球】恵まれない環境では「あえて野球をやらない」逆転の発想で肉体強化した札幌静修の試み

2025年5月5日(月)6時30分 スポーツ報知

新ユニホームで春季大会に臨む札幌静修の選手たち

 2000年の男女共学化とともに創部した札幌静修は、新ユニホームで春の札幌地区予選に臨む。21年春季全道大会で4強入りするなど実績を積んできたが、道大会出場は同年秋を最後に遠ざかる。学校が新校舎建設に向けて動き出す中、野球部も心機一転、改革を推し進めていく。

 札幌静修ナインが“新戦闘服”で快進撃だ。袖を通した関陸空主将(3年)は「新しい時代をつくるために新しくしたと聞いた。すごく重みがある。上を目指して戦っていきたい」と気持ちを新たにした。

 「新校舎建設があって、野球部も昨年木村(隼人)部長が来て新体制になった。新しい静修高校のスタートとして何かを思いきって変えてみたかった」と、就任3年目の山口凱監督(34)。青一色の特徴的なユニホームから「(胸の)『静修ブルー』が映えるように」と、グレー基調に一新。女子校時代からセーラー服の襟にデザインされている太さの異なる2本のライン「親子線」を左袖に入れ、伝統も引き継いだ。

 強化策もガラリと変えた。私立校だが専用グラウンドはなく、室内練習場も校内のプールを改修して使用している。平日の屋外での練習は移動もあって2時間弱と恵まれた環境ではない中、「あえて野球をやらない」という逆転の発想で肉体強化に注力してきた。シーズン中でも休日を除く平日4日間のうち、屋外での練習は2日間のみ。残りは自校施設での筋トレを中心に汗を流すという、異例の練習方法を導入してきた。

 昨秋ごろからの“改革”で、ベンチプレスの最大値100キロ超が続出し、チームトップの選手は130キロを記録。3月の高知合宿で対戦した明徳義塾の名将・馬淵史郎監督(69)も「でかいな」と驚くほどチーム全体で肉体改造が進んでいる。新ユニホームとたくましくなった体で挑む春。ハンデを味方に付け、強豪校への道を一歩ずつ歩んでいく。(島山 知房)

スポーツ報知

「野球」をもっと詳しく

「野球」のニュース

「野球」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ