巨人・坂本勇人「和真の代わりにはなれないですけど、帰ってくるまで頑張ります」 1軍昇格即V打

2025年5月7日(水)21時34分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 巨人6—4阪神(2025年5月7日 東京D)

 巨人の千両役者が帰ってきた。

 打撃不振により2軍調整が続いていた坂本勇人内野手(36)が7日、23日ぶりに出場選手登録され、同日の阪神戦(東京D)で「7番・三塁」に入って即先発出場。

 2—2で迎えた4回に1、2軍戦通じて今季初長打となる左翼線への勝ち越し二塁打を放つと、これがチームの決勝点となった。前日6日に負傷離脱した主砲・岡本和真内野手(28)に捧げる執念の一打だった。

 本拠・東京ドームで浴びる大歓声。お立ち台に上がる前には勝利にわく右翼スタンドのG党へ爽やかな笑顔を向け、右拳を2度突き上げて帰還を報告した。

 そして、お立ち台に上がると、「いやもう…ね。久々に1軍の舞台でこうやって歓声を受けれてうれしいです」と感慨深げに第一声。

 「昨日、家で試合も見てたんですけど。和真がね、ああやってケガして。本当にね、巨人軍の4番で一人で凄い背負いながら戦っている姿を僕も見てましたんで。和真の代わりにはなれないですけど、なんとかね、チーム全員でカバーしながら…はい。帰ってくるまで頑張ります」と言い切った。

 坂本はプロ19年目を迎えた今季も3月28日のヤクルト戦(東京D)で「6番・三塁」に入って開幕スタメン。だが、11試合に出場して打率.129(31打数4安打)、0本塁打、2打点と打撃不振に苦しんだ。4月15日に自らの志願もあって出場選手登録抹消。無期限で2軍再調整していた。

 しかし、前日6日に緊急事態がチームを襲う。阪神戦(東京D)の初回一塁守備で岡本が打者走者の中野と交錯して負傷交代。主砲が長期離脱を余儀なくされたことでこの日、坂本が緊急昇格となった。

 今季はここまでオープン戦、1軍、2軍全ての試合で長打がなかった坂本だが、ここぞに強いさすがの千両役者ぶりを発揮したのは2—2で迎えた4回、2死一塁で入った第2打席だった。相手先発左腕・門別がフルカウントから投じた7球目、内角低めスライダーに泳ぎながらも執念で左翼線に運んだ。

 「内容としてはね、あんまりきれいなヒットでもないですし、まだまだかなと思うんですけど、ま、僕らしいね、レフト線の2ベースだったんで。もっともっと打てるようにやってきます」

 坂本はこれがNPB歴代12位の通算2420安打目で、2432安打した石井琢朗(広島)の歴代11位記録まで「あと12」。また、二塁打は2024年9月21日の広島戦(マツダ)以来228日ぶりで、NPB歴代2位の通算460本目。通算487二塁打した立浪和義(中日)の歴代1位記録まで「あと27」とした。

 それでも「通算っていうのは、過去のことなんで…」とかわした坂本。「これからね、まだまだ打てると信じて普段からやってるんで」と明るい未来だけを見つめ「ファンの方のね、期待は裏切ってますけど、もっともっと打てるようにやっていきます」とちょっぴり自虐もまじえながら明るく決意を口にした。

 チームにとって東京ドームでの阪神戦は開幕から6戦目にして待望の今季初勝利。「ファンの人たちも、和真がいなくなって心配してると思いますけど、本当にね、いろんな若い選手も出てきてますし、僕もまだまだ負けないように頑張るんで、ファンの皆さんも一丸となって頑張りましょう!」。大歓声を送ってくれた巨人ファンと、テレビを見ているであろう岡本に捧げる最高の決勝打だった。

スポーツニッポン

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