阿部巨人はなぜトレードでリチャードに白羽の矢を立てたのか 球界OBの考察「安定感には欠けるかもしれないが…」
2025年5月13日(火)5時20分 ココカラネクスト

球界きってのロマン砲とされるリチャードは巨人で存在感を示せるか(C)産経新聞社
まさに電撃トレードとなった。
巨人、ソフトバンクの両球団は12日、秋広優人、大江竜聖と砂川リチャードの2対1の交換トレードを発表した。リチャードの背番号は「52」となることも決定した。
【トレード速報】巨人が動いた
背番号55も背負った秋広は「ジャイアンツファンの皆さんの応援がすごく力になって頑張ることができました。チームは変わりますが、引き続き応援して貰えたら嬉しいです」と球団を通じてコメントを残した。
同じくリチャードも球団を通じて、特に目をかけてもらった王貞治球団会長、小久保裕紀監督、山川穂高などに対し感謝の言葉を語った。「何度もありがたい言葉や指導を受けました。それに応えられないままなのが心残りですが、これからジャイアンツで成長する姿を見せて恩返しをしたいと思っています」と新天地での活躍を誓った。
また秋広、リチャードともに本格覚醒が期待されるロマン砲どうしの大型トレードとあって、成立した背景にも球界内から考察の声が上がっている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチを務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は12日に自身のYouTubeチャンネルに「【トレード速報】巨人が動いた!!『岡本の離脱が影響している』SBリチャードと巨人秋広優人&大江竜聖の2対1でトレード成立!!ソフトバンクも離脱者続出で戦力補強に!高木豊が感じた事とは…」と題した動画を更新。今回の電撃トレードに関して背景を伝えている。
まず高木氏は今回のトレードに関して「予想もついていた、多少」と巨人側が動くのは予測されたとした。
理由としては「ジャイアンツは岡本のケガによって三塁手も補強したかったし、長距離(砲)ということで、当然、補強に走るかなとは思ってたけども、リチャードとはちょっと考えなかった」と話した。
巨人では今月6日に主砲の岡本和真が接触プレーで左ひじ靭帯損傷の重症となった。全治3か月と長期離脱となったことを受け、補強ポイントに「右打者でクリーンアップを打てるくらいのパワーヒッターが欲しい」理由があったとした。
リチャードに白羽の矢が立ったのは守備面の心配や三振数が多いことは課題とされる中で、「安定感には欠けるかもしれないが、長打が欲しい、破壊力が欲しいという阿部監督の狙いがあると思う」と考察した。
実際に巨人では6日に岡本が負傷離脱となって以降の5試合は2勝3敗、週末のヤクルト3連戦はチャンスを作りながらも適時打なしと打線形成に苦しんだ。
ここまで打率.308、8本塁打、25打点とチームをけん引してきた主砲を欠く中で、ある程度の課題には目をつぶりながら、「右の大砲という意味では、リチャードの右に出るパワ—ヒッターはいない」と圧倒的な長打力に期待をかけたとした。実際にリチャードは開幕前に行われた3月12、13日の巨人とのオープン戦(みずほペイペイ)でカイル・ケラー、山崎伊織から2試合連続となる本塁打を放っていた。
またソフトバンクへ移籍が決まった秋広に関しても、巨人は左打者が多かったこともあり「ソフトバンクのほうがまだチャンスはあるかな」と話した。このトレードが成立したいきさつにも、リチャードが欲しいという巨人からの働きかけだったのではないかと推測した。
最後は3選手に対して「それぞれが活躍して、いいトレードになってくれればいいと思う」「チャンスは絶対あるから、期待したい」と背中を押した高木氏。
それぞれの新天地でのパフォーマンスに早速、注目が集まりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]