菊池雄星、リーグただ1人の不運な記録…エンゼルスの「最弱」救援陣が初白星消す
2025年5月19日(月)10時49分 読売新聞
エンゼルス戦の1回、菊池(手前)に中飛に抑えられた大谷(18日)=AP
18日(日本時間19日)にロサンゼルスで行われた米大リーグのドジャース—エンゼルス戦で、菊池雄星は六回途中1失点と好投し、勝ち投手の権利を持って降板したが、白星はつかめなかった。(デジタル編集部)
この日の菊池は立ち上がりから調子がいいように見えた。最速96・9マイル(約155・9キロ)の直球には切れがあり、スライダーやチェンジアップの変化球も両コーナーに決まった。許したヒットは3本のみ。五回には岩手・花巻東高の3学年下の後輩、大谷翔平に適時打を浴びたが、続く満塁のピンチでナ・リーグ打率トップのフリーマンを左飛に抑え、最少失点で切り抜けた。六回に一塁ベースカバーに入った際に右足首をひねって降板したが、4−1と3点のリードを守り救援陣に後を託した。
しかし、その救援陣がドジャース打線を抑えきれなかった。続く七回に大谷の内野安打などで二死一、二塁のピンチを迎えると、3番スミスに左越えに同点3ランを許し、菊池の今季初勝利が消えた。チームは八、九回に1点ずつ加えて勝ち、ドジャースに3連勝した。
菊池はこれで防御率3・50。ア・リーグで規定投球回をクリアする43人中、22番目とちょうど真ん中の数字だが、その43人で1勝も挙げていない投手は菊池しかいない。いかに菊池が不運な状況かわかる。
この日は珍しく援護に恵まれた菊池だが、救援陣がリードを守れなかった。リリーフ陣のチーム防御率は7・06でメジャー30球団中ワースト。ア・リーグでエンゼルスの一つ上の14番目はアスレチックスで5・82と1点以上も上回る。これではなかなかリードを守り切れない。結果的に、今月1日のタイガース戦に続いて、権利を得ていた初白星を消されてしまった。ちなみに救援陣の防御率リーグトップは、昨季所属したアストロズの2・71だ。
ひねった右足首については、大リーグ公式サイトによると、本人も大丈夫と言っていて、大事には至らなかったようだ。早く初白星をつかむためには、なるべく長いイニングを投げることか。この試合でも4四球を与え、六回二死で降板する際には98球まで球数がかさんだ。省エネ投球で救援陣の負担を軽くし、次の登板では、不名誉な記録から脱出したいところだ。