オリオールズ菅野智之、初経験の監督途中解任「ちょっと分からない感覚。何と言っていいか」22日ブルワーズ戦先発へ
2025年5月21日(水)9時47分 スポーツ報知
登板前日に取材に応じるオリオールズの菅野智之(カメラ・一村順子通信員)
オリオールズの菅野智之投手が21日(日本時間22日)、今季5勝目を目指して、敵地でのブルワーズ戦に先発する。15日(同16日)の前回登板(ツインズ)では7回途中まで渡米後最多103球を投げたが、打線の援護に恵まれず、3敗目を喫した。チームは2日後、ハイド監督を解任。激動の中5日を過ごした菅野が、チーム浮上の使命、前監督への思いを背負って今季10試合目のマウンドに立つ。
前回登板から2日後。桜井通訳を通じて緊急チームミーティング招集の連絡が入った。「そういうことなのか…」。予感は的中した。巨人時代の原辰徳監督、高橋由伸監督、阿部慎之助監督に次いで自身4人目の監督となったハイド監督が、成績不振の責任を問われ、開幕2か月足らずで解任された。プロ13年目で、シーズン途中の監督解任は初体験だった。
「でも、ここにいる人たちには、多分日常というか。コメント聞いてても、こういう結果だったら誰かが責任取らなきゃいけないよね、みたいなスタンスだから。でも、それは僕にはちょっと分からない感覚。何と言っていいか…」。メジャーのシビアな現実と直面しつつ「もうちょっと僕たちが何とか出来たんじゃないかという部分もある」と唇を噛んだ。
新天地で初めての“師”との早すぎる別れ。「すごく感謝してます。食事とか、移動とか、ホテルの面も色んなところに気を使って下さった。明日ね、快投しなきゃダメだね」と、表情を引き締めた。
球団は大ナタを振るったが、チームは7連敗。現状打破の兆しはみえない。記憶をたどった菅野が「雰囲気が似ている」と指摘したのが、2017年、巨人球団ワーストの13連敗。今でも鮮明に覚えている6月2日の東京ドームでのオリックス戦。「逆転してマシソンが出て行って、さすがにきょうは勝っただろうと思ったら、逆転された。なんか、そういうのに似てるな。雰囲気的に。その時の教訓は、やっぱり、当たり前のことを当たり前にやらないといけないんだということ。今こそ大事なのは、やっぱり基本に堅実なプレーだと思う」
先発ローテは、ギブソンが戦力外通告されるなど崩壊。安定しているのは、菅野1人だけ。低迷するチームで最多勝となる17勝するなど沢村賞を獲得した2017年当時の姿も重なる。
「やりがいを感じて、しっかり自分が止める、って気持ちは持ってますけど、まずは自分の仕事をしっかりするっていうことだと思います」
この日は距離を60メートルに伸ばした遠投や、ダッシュなどで汗を流し、今季10試合目の登板に向けて最終調整した。