大の里 綱獲りへ独走態勢の10連勝 八角理事長絶賛「ゾーンに入っている」
2025年5月21日(水)4時40分 スポーツニッポン
◇大相撲夏場所10日目(2025年5月20日 両国国技館)
横綱昇進を目指す大関・大の里は一山本を力強く押し倒しで下し、全勝を守った。伯桜鵬、安青錦がともに敗れて2敗に後退。大の里が10日目で2差つけて単独トップに立つのは2度目の優勝を果たした昨年秋場所以来となった。横綱・豊昇龍は宇良を送り出して勝ち越し。大の里を追う2敗は豊昇龍、小結・若隆景、平幕の伯桜鵬、安青錦の4人となった。
支度部屋で多くを語らないのはいつも通り。しかし、時折わずかに柔和な表情をのぞかせるのは余裕と自信の表れか。この日も迫力十分の内容で無傷の10連勝。大の里は「相手をよく見て攻められた」とうなずいた。
先場所は俵に詰まりながらのはたきで薄氷の勝利だった一山本戦。しかし、今回は大関の強さだけが目立った。もろ手突きを受け止めると、左おっつけではね返し、突き放して前に出た。土俵際も右へ回り込む相手へ攻撃の手を緩めず押し倒し。土俵下の高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「圧倒的に腰から出ている。密着しているから(相手は)引きもいなしもできない。盤石ですね」と文句なしを強調し、八角理事長(元横綱・北勝海)も「落ち着いているし、押されないという気持ちがある。自分のゾーンに入っている」と絶賛した。
出番前に1差で追っていた伯桜鵬、安青錦が敗れ後続と2差がついた。10日目に2差をつけて単独首位に立つのは2度目の優勝を果たし場所後に大関昇進を決めた昨年秋場所以来。吉兆のデータだが「そこは気にしていない。一日一番しっかり集中してやる」と表情を引き締めた。
場所中は験を担ぐことが多く、同じ化粧まわしを負けるまで使用する。今場所も10日間連続で同じ化粧まわしで土俵入り。横綱昇進となれば露払い、太刀持ちと同じ「三つぞろえ」を新調するため、従来の化粧まわしは今場所で見納めとなる可能性が高い。このまま連勝が続けば、お披露目できないものが続出…。関係者のうれしい悲鳴が聞こえてきそうだ。