大の里、無傷11連勝最短13日目にもV 九重審判長も称賛、勝ちを呼び込んだ「一つの動作」

2025年5月22日(木)5時30分 スポーツ報知

大の里(右)が寄り倒しで若隆景を下す(カメラ・安藤 篤志)

◆大相撲 ▽夏場所11日目(21日、東京・両国国技館)

 初の綱取りに挑む大関・大の里が、初日からの連勝を自己最多タイの「11」に伸ばした。2敗の小結・若隆景に肩越しの右上手一本でひやりとさせたが、若隆景を体ごと寄り倒し、過去2勝2敗の巧者をねじ伏せた。最短で13日目で2場所連続優勝決定と、横綱昇進を大きく引き寄せた大の里は、12日目に東前頭7枚目・伯桜鵬と対戦する。横綱・豊昇龍は伯桜鵬との2敗対決を腰砕けで制した。全勝の大の里を2敗の豊昇龍が追う。

 強さとうまさで白星をもぎ取った。大の里は得意の右を差せず、若隆景にもろ差しを許した。苦しい体勢で肩越しの右上手を握ると左で相手の顔を動かして体勢を修正。相手の投げに対して幕内最重量191キロの体ごと寄り倒した。大の里は「危なかったけど流れでいった」。土俵下の九重審判長(元大関・千代大海)は「一つの動作が勝ちを呼び込んだ。若隆景があの形で負けるのは想像できない。一つ一つの技術が高い」と手放しでほめた。

 2敗はただ1人、豊昇龍。自己最長タイの11連勝で綱取りも視界に入り、最短で13日目の優勝決定となった。横綱審議委員会の推薦内規は「2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」。1場所15日制が定着した1949年5月場所以降で、過去に11日目まで全勝力士が後続と2差をつけて逆転優勝を許したのは、15年秋場所の照ノ富士が、鶴竜に賜杯をさらわれるなどした4例しかない。

 夏場所の館内も大の里の綱取りで連日にぎわう。中でも「大の里弁当」は人気だ。両国国技館開催の初、夏、秋場所では大関以上になるとしこ名を冠した弁当が発売される。新大関だった昨年九州場所は大いちょうを結えなかったため、初場所の弁当の表紙はちょんまげ頭。今場所から「大いちょう」に変わった。来場所までに昇進すれば秋場所では綱を締めた表紙に変わる見込み。関係者も「こんなに早く表紙が変わるのは異例」と目を丸くしている。

 2012年秋場所の日馬富士以来となる全勝での横綱昇進へ妥協はしない。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「出来れば(若隆景戦のような)ああいう相撲は取ってほしくない。勝って反省してくれれば」と得意の形で攻めきることを求めた。大の里も「こういう形で勝ったので、また集中し直したい」。文句なしの内容で最高位へと駆け上がる。(山田 豊)

スポーツ報知

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