日本ハム・新庄監督、“台湾の至宝”支配下登録即０封デビューに感心「いい度胸」

支配下登録され、新庄監督（右）と記念撮影をする孫易磊

写真を拡大

◆パ・リーグ　日本ハム３—４ソフトバンク＝延長１１回＝（２２日・エスコンＦ）

　日本ハムの孫易磊（スン・イーレイ）投手（２０）がほえた。延長１０回２死二塁、栗原を一ゴロに仕留め、右拳を強く握った。この日支配下登録され、同点の９回というしびれる場面で即デビュー。２回１安打無失点に封じ、「最初は緊張したけど、３球目からいつものテンポで投げられた」。５月１１日の楽天戦（エスコン）でマダックス（１００球未満の完封）を達成した先発・古林睿煬（グーリン・ルェヤン）に続き、新庄ハムにまた台湾出身のニュースターが誕生した。

　最速１５７キロで「台湾の至宝」と称される２０歳。９回を３者凡退に抑え、ベンチで新庄監督から回またぎの打診をされ、「全然おっけーです。何も問題ない」と即答した。延長１０回は走者を二塁に背負ったが「メンタルに自信がある」と全く動じず、最速１５２キロの直球とスプリットを中心に無失点。新庄監督は「いい度胸していますよね。変化球でカウントを取れるし」と感心した。

　家族の力が後押しした。この日は、台湾から両親と親戚が駆けつけた。試合前の会見にも異例の同席。試合では手作りグッズを手にスタンドから大声援をおくられ、「小さい頃からプロになるまでずっと支えてくれたので本当に感謝の気持ち」と振り返った。

　新庄監督は「最低でも１５勝は勝てる。グーリンと最多勝争いをしてもらえたら」と期待。「手応えと自信はある」という孫易磊が、異国で上々のスタートを切った。（川上　晴輝）

　◆孫　易磊（スン・イーレイ）２００５年２月１０日、台湾・台北市出身。２０歳。中国文化大を経て２３年９月に日本ハムと育成契約。２１年に野手から投手に転向し、２３年９月のＵ１８Ｗ杯に台湾代表のエースとして出場し、準優勝に貢献した。１８３センチ、９３キロ。背番号９６。右投左打。