12連勝の大の里が2場所連続優勝王手「やるべきことをやるだけ」 初土俵から所要13場所で横綱昇進なら最速
2025年5月23日(金)5時30分 スポーツ報知
支度部屋を引き揚げる大の里。優勝に王手をかけた
◆大相撲 ▽夏場所12日目(22日、東京・両国国技館)
初の綱取りに挑む大関・大の里が4度目の優勝に王手をかけた。初顔合わせの東前頭7枚目・伯桜鵬をはたき込み、初日からの連勝を自己最長の12に伸ばした。唯一の2敗だった横綱・豊昇龍が霧島に敗れたため、13日目に大関・琴桜に勝てば2場所連続優勝が決まる。優勝すれば、師匠で2017年に昇進した横綱・稀勢の里(現二所ノ関親方)以来、8年ぶりの日本出身横綱誕生が確実となる。
土俵下で豊昇龍の敗戦を、目にしても大の里は、表情を変えず大きく息を吐いて花道を引き揚げた。初顔合わせとなった伯桜鵬を破り、破竹の12連勝。結びの結果を受けて13日目の琴桜戦で連続優勝、横綱昇進に王手をかけた。ただ、大の里は「やるべきことをやるだけ」といつも通り静かに応じるだけだった。
早業だった。立ち合いで伯桜鵬をもろ手で突くと、突っ込んできた相手を右に開いてはたき込んだ。今場所最速1秒7で勝負をつけて「相手がよく見えていた。落ち着いて対応できた」と振り返った。
後続に3差をつけた。横綱審議委員会(横審)の推薦内規には「2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」とあり、仮に残り3日間で全て敗れても、優勝同点となることが確定。現時点で内規を満たしたことにもなる。土俵下の粂(くめ)川審判長(元小結・琴稲妻)は「負ける気がしない感じ」と言えば、八角理事長(元横綱・北勝海)は「勢いのあるうちに横綱に上がった方がいい」と期待を込めた。
これまで12日目を終えて首位が3差を逆転された例はない。13日目に優勝を決めれば、2015年初場所の横綱・白鵬以来10年ぶり、日本出身なら1996年秋場所の同・貴乃花以来、29年ぶりの快挙。横審が1950年5月に発足以降、2場所連続優勝で昇進を見送られた大関はおらず、優勝で昇進が確実だ。
今場所後に、初土俵から所要13場所で横綱に昇進すれば昭和以降では羽黒山、照国の所要16場所を抜いて最速。大の里は「集中」と繰り返した。75代横綱の誕生はもう目の前だ。(山田 豊)