【卓球】伊藤美誠 涙の初メダル「中国人選手を倒してのメダルってこんなにうれしいんだな」
2025年5月23日(金)20時32分 スポーツニッポン
◇卓球・世界選手権(2025年5月23日 カタール・ドーハ)
女子シングルス準々決勝が行われ、世界ランキング9位の伊藤美誠(24=スターツ)は同4位の王芸迪(中国)を4−1で下し、準決勝進出を決めた。3位決定戦は行われないため、メダルを確定させた。
悲願のメダルをようやくつかんだ。過去の対戦成績は2勝10敗。今年も2戦2敗の難敵を退け、コート上で涙があふれた。
「本当にうれしいの一言。(王芸迪選手に)なかなか勝ててなかったので、世界選手権の大舞台で勝てたことも良かったですし、自分の力でメダルを獲れることができて良かったです」
インタビューでも言葉に詰まり、大粒の涙を流した。その涙の意味を聞かれると、「初めてのメダルでとてもうれしかったのと、やっぱり中国人選手を倒してのメダルってこんなにうれしいんだなと気持ち」とはにかんだ。23年大会では、同学年の早田ひなが中国人選手を撃破して銅メダルを獲得。「自分もできると言い聞かせて(今日の)試合をしたので、それを有言実行できたので良かったです」と語った。
メダル決定戦では「サーブレシーブだったり工夫して、入らなくても思い切ってという気持ちでやってたんですけど、本当今日は良い感じに入りました」と振り返った通り、サーブで相手を揺さぶった。
伊藤は第1ゲームを6−11で落としたが、第2ゲームから4ゲーム連取で準決勝進出を決めた。
世界選手権に臨むのは、14歳で挑んだ15年大会から団体戦を含めて10回目。リオ大会から2大会連続で五輪に出場し、21年の東京大会では3種目で金、銀、銅のメダルを獲得。だが、パリ五輪では選考レースの末に代表の座を逃した。悔しさを味わう一方、次なる目標に「世界ランキング1位」を掲げ、再び立ち上がった。
今大会はベンチには母・美乃りさんが座り、「母さんはメンタルや落ち着くことを意識して話してくれる」。ようやくつかんだメダル。安堵(あんど)の表情を見せつつも、「今日も思い切ってやったんですけど、もっともっとのんびりリフレッシュして、明日の試合もやり遂げたいです」と切り替えた。