体が小さいことを悩んでいる若い力士は若隆景の相撲を参考書に…元大関・琴風の目
2025年5月25日(日)5時40分 スポーツ報知
若隆景(右)は平戸海を押し出す(カメラ・越川 亙)
◆大相撲 ▽夏場所14日目(24日、東京・両国国技館)
相撲巧者の若隆景が力強く戻ってきた。平戸海との一番。右から肩透かし気味に動いて、右を差しながらハズにあてがった。動きの中で平戸海の体を起こすと一気に押し出した。瞬時の相撲のうまさと平戸海の体を押し上げる力強さ。体が小さいことを悩んでいる若い力士がいたら、若隆景の相撲を参考書にしてほしい。大きい力士にも勝てるヒントも隠されている。
なんとなく元大関・旭国さんをほうふつとさせるが、旭国さんは頭を付けて長い相撲を取るタイプ。スピードの部分では旭国さんより勝っていると思う。ケガをして幕下まで落ちた時、真摯(しんし)に相撲と向き合い、相撲がいかに自分に大切なのか再確認したのだろう。決して「まわり道」ではないことは現在地の堂々たる姿が証明している。大の里のようなダイナミックな力士もいいが、私は若隆景のような職人気質の力士が好きだ。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)