【二所ノ関親方 真眼】強い若隆景が帰ってきた 相手の力を利用しながら理想的な厳しい攻め
2025年5月25日(日)4時30分 スポーツニッポン
◇大相撲夏場所14日目(2025年5月24日 両国国技館)
若隆景は強い頃の状態に完全に戻りました。平戸海戦はそんな雰囲気を感じさせる一方的な勝利。右を差して出ていって土俵際のはずが効いていました。相手の力を利用しながら下からの押し上げで相手の体を浮き上がらせる理想的な相撲。厳しい攻めでした。
30歳になりましたが、まだまだ強くなれます。ケガで下に落ちていた分、経験なども積むことができましたし、以前と違う「円熟味」を漂わせています。体が小さいので15日間戦うスタミナも必要ですが、常に今場所のような力を発揮できる安定感が出てくれば、おのずともう一個上(大関)も見えてくるはずです。
大の里は優勝翌日で硬さもありました。危ない相撲でしたが、そんな中でも勝ちに持っていけたのは勉強になったはずです。15戦全勝と14勝1敗は全然違います。しかも横綱相手の大一番。今場所の自分がどこまで通用するのか、今後を占う意味でも絶好の舞台が訪れました。 (元横綱・稀勢の里)
【若隆景 大関へ「集中」11勝】
若隆景は大関獲りへ11勝を挙げた。過去3戦3勝と合口のいい平戸海に「しっかり自分の相撲に集中して、取り切ろうと思って土俵に上がった」と立ち合いから低く当たり、相手をいなして力強く押し出した。今場所は2場所ぶりに三役復帰。前日に2桁勝利に到達し大関昇進の起点とした。3連勝で白星を重ね「しっかり集中して一日一番、いい相撲を取れるように努力して一生懸命やっていきます」と力を込めた。