アメフト関学大 QB星野太が直面する2年目の「壁」 大村監督「これを乗り越えたら一気に...」
2025年5月25日(日)17時53分 スポーツニッポン
◇関西学生アメフト春季大会 関学大17—9関大(2025年5月25日 王子スタジアム)
「関関戦」の見せ場は第4Q3分36秒に訪れた。6点を追う関学大オフェンス。QB星野太吾(2年)がWR小段天響(3年)に会心のTDパスを通した。TFPで勝ち越すと、完全にKGペース。9分22秒にも同じコンビでホットラインを完成させ、春の大一番を制した。
「前半は緊張していて、自分のプレーができなかった。今年は考えてプレーすることをテーマにしてるんですけど、考えすぎてしまって…。頭では分かってるんですけど、パスが思い切り投げられなくて…」
試合を振り返る星野太の表情はどこか冴えない。ルーキーイヤーの昨年。負傷がちだった兄・秀太(4年)に代わって、ほぼ1年間、名門の司令塔を務めた。経験値は十分なはずなのに、そこに「落とし穴」があった。
「昨年は怖いもの知らずでやっていたけど、いろいろ考えるようになって、思い切りの良さがなくなっている。ただ、これを乗り越えたら、一気にいきますよ」
大村和輝監督がこう解説した。第4Qの2TDを除けば、3つのインターセプト、1つのファンブルと散々だった内容。それでも、勝利へ導けたのは、新しい「師」のアドバイスがあったからだ。
「前半が終わった時、小原さんから一度、リセットするように言われて。それで後半から、いつも通りできた」
今季から週に1回、QBコーチとして指導を受ける小原祐也氏(35)は、京大で1年目からエースとしてならした名QB。ハーフタイムにメディシンボールを使って体幹を鍛える助言を実行したところ、心も体もリフレッシュできたという。
次戦(6月8日)は、昨年12月に全日本大学選手権準決勝で敗れた法大戦。先発し、不本意な結果に終わった星野太にとっては、因縁の相手といっていい。
「前回負けているし、しっかり準備して臨みたい」
大きく飛躍するための助走期間。悩み、苦しんだ先に、背番号18の進化がある。