菅野智之は“有力なトレード要員”に MLB公式が推挙 プレーオフ争いから早々の脱落で「売り手」に回るか
2025年5月27日(火)5時50分 ココカラネクスト

菅野のトレードにまつわる具体的な話は出ていないが…(C)Getty Images
これも日米球界の価値観の違いだろう。『MLB公式サイト』は5月22日、トレード市場へ売って出るべき6チームを特集した。すでに今シーズン大きく出遅れてしまい、プレーオフ進出が厳しいチームは、今オフにフリーエージェント(FA)となる選手を「売り」に出して、将来へ向けた若手有望株を「買う」べきという指摘だ。その中で有力なトレード要員の一人に挙げられたのが、メジャー1年目で安定した投球で先発ローテーションを守っているオリオールズの菅野智之だった。
【動画】この邪悪なスプリット!菅野がエンゼルス打線に快投を見せたシーン
この特集ではトレード市場で売り手に回るべきチームとしてマーリンズ、ナショナルズ、オリオールズ、パイレーツ、ロッキーズ、ホワイトソックスの6球団を挙げた。いずれもすでに大きく負け越し、出遅れたチームだ。開幕前はプレーオフ進出の可能性は高いと期待されたオリオールズだが、26日時点で18勝34敗と借金16。ブランドン・ハイド監督は解雇され、三塁コーチだったトニー・マンソリーノ氏が暫定監督を務めている。
オリオールズでトレード要員お一番手としたのが、31歳の先発右腕ザック・エフリン。ここまで6試合に投げて3勝2敗、防御率5.40の成績を残す。3年総額4000万ドル(約58億円)の契約が今季限りのため、プレーオフを目指し先発4、5番手を補強したいチームにはうってつけの存在だ。
そして次いで推したのが菅野だった。ここまで10試合で4勝3敗、防御率3.07と、先発ローテーション投手の役割をしっかりと果たしてきている。契約は今季限りの単年契約で、年俸1300万ドル(約19億円)。35歳という年齢が不安視もされたが、オールドルーキーとして新天地の環境にきちんと適応してみせた。同時に、プレーオフを狙うレベルのチームにおいても、しっかり先発ローテーションの一角として回ることができる実力を備えていると同サイトが評価しているからこそ、トレード要員として名前が挙がったとも言える。
日本球界ではトレード自体に、まだまだネガティブな見方は強い。どちらかというと余剰戦力同士を交換し、移籍することで環境を変えて、新たな化学反応で「化ける」ことに期待して敢行することがほとんだ。ただメジャーではトレード期限が迫るにつれ、売り手に回る球団と買い手となる球団がはっきりと色濃く分かれ、契約期限が間近の選手は争奪戦にさえ発展する。
オリオールズは惜しくも今季のプレーオフ進出争いからは脱落してしまった。ならば契約が今季限りの菅野は何をモチベーションに投げればいいのか。1年目から他球団へ請われて移籍するという、売り込みも視野に入れたショーケース・ピッチングも決して悪くはない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]