阪神・及川 “無敵スライダー”で連続K斬り火消し 今季19打数でいまだ被安打0
2025年5月28日(水)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神1—0DeNA(2025年5月27日 倉敷)
阪神・及川の9球が勝利への流れを引き寄せた。「火消し」としての任務を果たすと、静かにガッツポーズ。ヒリヒリする状況を自らの手で脱し、ようやく左腕に笑顔が広がった。
「才木さんに絶対に負けはつけたくないという思いで投げていたんで、結果として出て良かったです」
先発・才木の頑張りを無駄にするわけにはいかなかった。出番がやって来たのは0—0の7回1死一、二塁。佐野への2球目が暴投となり、1死二、三塁とピンチは広がったが、スライダーがさく裂した。8試合連続安打中の佐野は外角低め、オースティンは内角低めを突いて2者連続で空振り三振。内外角に丁寧に投げ分けて、チームの窮地を救った。
まさに“無敵”の武器だ。これで、今季のスライダーは19打数無安打となり、被打率は何と・000だ。春季キャンプ中、ジェフ・ウィリアムス駐米スカウトから直接指導を受けて、さらに輝きは増した。投球フォームで体重移動する時に右肩が上がってしまうクセを修正。左腕のトップを上げきるよう意識することで、自身の感覚も良くなった。
「勉強になりました。自分の場合は真っすぐとスライダーが軸になる投球だと思うので」
05年のリーグ優勝時に藤川球児、久保田智之とともに「JFK」と称された猛虎のレジェンド。かつて並み居る強打者を圧倒したスライダーは今、鉄壁のリリーフ陣の一角を担う24歳の左腕が確かに受け継いでいる。
前回登板した22日の巨人戦では、2番手として7回から救援。先頭の代打・ヘルナンデスに左中間への同点ソロを許した。デュプランティエが白星の権利を持っていただけに悔やまれる一球。「勝ちを消しちゃった部分が本当に申し訳ない」と唇をかみしめていた。すぐにやって来たリベンジの舞台。正真正銘の好救援で悔しさを晴らした。