【関西学生野球】近大が4季ぶり50度目の優勝 プロ注目の内野手、勝田成がMVP
2025年5月28日(水)6時0分 スポーツニッポン
◇関西学生野球春季リーグ第6節3回戦 近大1—0関学大(2025年5月27日 GOSANDO南港野球場)
近大が関学大との3回戦を1—0で制して勝ち点5とし、2023年春以来4季ぶり50度目の優勝を決めた。全大学から勝ち点を奪う完全優勝で、2大会ぶり32度目となる全日本大学野球選手権(6月9日開幕、神宮ほか)への出場権を獲得。攻守で優勝に貢献した主将でプロ注目内野手の勝田成(4年)が最優秀選手に選ばれた。
今春の主役は重圧から解放されて号泣した。「今までやってきたことが報われ、こみ上げてきました」。勝田が戦っていたのは優勝への緊張感だけでない。旧リーグを含むシーズン歴代最多26安打まであと2本にも迫っていた。「重圧に負けてしまって…」。4打数無安打で記録更新はならずも、奮闘はMVPとなって認められた。
新チーム結成後、野球人生で初めて主将に指名された。そして部員を前に思いを伝えた。「全員が日本一奪回を意識してほしい」。堂々とスローガンは「常勝軍団」に決めた。
幼少期から両親に何度も伝えられてきた。「願えば、かなう。でも何かを諦めたら、社会に出ても成功できないよ」。その教えを守り、1メートル63の小兵でもプロ野球選手になれると疑わなかった。「背が低いから無理とばかにされても、それは何も努力していない人が言っているだけですから」。春季リーグ前には、優勝に加えて個人タイトルも狙うと周囲に公言した。そして最多安打(24安打)、盗塁王(9盗塁)にMVPとベストナインを合わせた4冠を達成。願って、かなえた。
大学創立100周年の節目でつかんだ全国切符となった。「優勝候補と言われて大変だったけど、4年生のまとまりが優勝につながりました」。小兵選手の苦労が報われ、誰よりも高く胴上げされた。 (河合 洋介)
◇勝田 成(かつだ・なる)2003年6月21日生まれ、大阪市出身の21歳。関大北陽(大阪)では1年夏に背番号14でベンチ入りし、1年秋から背番号4。近大ではリーグ戦に1年秋から出場。50メートル走6秒2、遠投110メートル。1メートル63、72キロ。右投げ左打ち。
○…先発した近大のプロ注目左腕・野口練が、今春防御率0.00を達成して優勝に貢献した。許した安打は、6回2死無走者からの内野安打のみ。勝敗はつかずも6回無失点に抑え、「地道にコツコツと努力することが成功への近道なのだなと思いました」と胸を張った。今春登板9試合(先発2)で35回1/3、無失点。光元一洋監督から「今日は野口に限る」とたたえられた。