世界ラリークロス:セバスチャン・ローブ擁するプジョー陣営、次戦で大幅改良の208WRX投入へ

2018年6月15日(金)15時40分 AUTOSPORT web

 WorldRX世界ラリークロスに、チーム・ハンセンとのジョイントでワークスチームを送り込んでいるプジョースポールは、次戦第6戦となるスウェーデン・ホルへでの1戦に向け、セバスチャン・ローブとティミー・ハンセンのために大幅なアップデートを施した新型208WRXを投入すると示唆した。


 2018年から本格的にWorldRXへのワークス参戦を開始したプジョーは、これまでプジョーのトップチームとして活躍してきたケネス・ハンセンが運営するハンセン・モータースポーツとのジョイントで活動を続けている。


 このオフシーズンから2018年の開発計画を明かしていたプジョースポールだが、そのモータースポーツ・ディレクターを務めるブルーノ・ファミンは、そのアナウンスどおり2週間後に迫ったスウェーデン、ホルへ・ラウンドのタイミングで、今季最大かつ唯一の大幅アップグレードを施し、ほぼ新型といえる『プジョー208WRXスーパーカー』を投入する、と語った。


「スウェーデンに向け、我々がこの年初から開発を続けてきた技術的進化を盛り込んだ新型モデルを投入する」とファミン。


「我々にはまだ解決すべき技術的課題が2件ほどあり、その解決に向け重要なポイントはレースカーで部品の性能や信頼性を試すことだと考えている」


「現時点でこの決断は最終決定には至っていないが、我々のターゲットはスウェーデン戦でエボリューション・モデルを投入することにある」


 プジョーはこれまで、WorldRXのプログラムではオレカ製のエンジンを搭載して戦ってきたが、ファミンはこのオフシーズンにパワーユニットも含めてインハウスで製作することが望ましいと主張。


 現在WorldRXに参戦している『プジョー208WRXスーパーカー』が、どちらのエンジンを搭載しているのか、公式なアナウンスはなされていないままであり、このタイミングでエンジン開発をプジョースポール主導に切り替える可能性は充分に考えられる。

今季からファクトリーサポートを得たチーム・ハンセンは、プジョスポールのワークスチームとして、引き続き3台体制で参戦
ナインタイムスWRCチャンピオン、セバスチャン・ローブはランキング2位につける


 同チームのエースを務めるローブは、現王者のヨハン・クリストファーソンを除いて今季優勝を経験した唯一のドライバーであり、現在は31点差でドライバーズランキング2位につけている。


 しかしファミンは、プレシーズンに表明した「ドライバーズタイトル獲得が今季の参戦目標ではない」との予測を、今現在でも変更する意思はない、と念を押した。


「それ(タイトル)は我々の現在の目標ではない」とファミン。「しかし、エボリューションの結果いかんでは……挑戦してはいけない、とは言わないよ」


「ヨハンやフォルクスワーゲンとのギャップがそれほど大きくならないようなら、もちろんそれ(シリーズチャンピオン)を視野に入れるのは問題ない。しかし、今季のメインゴールがそこではないことは明言しておきたい」


「今季の最大の目標は、数多くのレースで優勝を飾ることだ。明白なことに、より多くのレースでさらに勝利を挙げられれば、チャンピオンシップの状況も自ずと良くなってくるだろう」


 このチーム・プジョー・ハンセンでサードドライバーを務めるケビン・ハンセンは、先のノルウェー戦で自己ベストタイとなる4位のリザルトを記録しているが、次戦以降はローブか彼の兄ティミーがドライブしたマシンのいずれかにスイッチする予定となっている。


「ケビンは最新バージョンからはワンステップ遅れる計画となる。彼には申し訳ないが、単純に我々のキャパシティが足りない、という理由によるものだ。同時に3台の新型シャシーを製造するのは能力的に不可能なんだ」


「シーズン終了までに状況がどうなるかはわからないが、現時点ではその状況を受け入れてもらうしかないと説明している」


 WorldRX世界ラリークロス選手権の第6戦、スウェーデンのホルへ・ラウンドは6月30〜7月1日に開催される。

プライベーターとして参戦するセバスチャン・ローブ・レーシングのマシン同様、オレカ製エンジンを搭載すると見られる現行『プジョー208WRXスーパーカー』
プジョースポールの本格的なR&Dの成果が投入されるアップグレード・モデルがどんな戦闘力を見せるか


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