多彩な選択肢から“最高”の一台を選ぶ/トヨタ新型アルファード、ヴェルファイア購入ガイド

2023年8月10日(木)20時0分 AUTOSPORT web

 6月21日に発売された新型(4代目)トヨタ・アルファード/ヴェルファイア。デビュー直後からオーダーが殺到していることもあって、これから注文しても納車まで1〜2年はかかってしまうと言われるほどで、いま最もホットな国産車といえる。ここでは、新型アルファード/ヴェルファイアで覚えておきたいポイントを紹介しよう。


 最初に注目したいのが、走りの基本性能が大幅に進化していることだ。先代(3代目)でボディ剛性の向上やリヤサスのダブルウイッシュボーン化など、贅沢な設計が注がれていた。新型ではトヨタ最新のTNGAプラットフォーム(GA-K)をミニバン用に最適化したほか、構造用接着剤の採用、底部構造の引き締めなどで、車両剛性は先代比で50%向上。操縦安定性と乗り心地の向上が図られた。


 実際、新型に試乗すると、路面からの突き上げ感や細かな微振動が大きく抑制されていることに気づく。先代も悠々とした乗り心地を売りとしていたが、新型はそれ以上の仕上がり。ブッシュやショックアブソーバーなどの防振対策も手伝って、乗員が感じる振動は先代の3分の1程度まで低減しているそうだ。

TNGA世代のGA-Kプラットフォームを採用したことで、シャシー性能が向上したことも新型のトピックス。サスや各部補強財の改良もあって、ハンドリング性能や乗り心地は大きく進化している。


 パワートレインも一新された。ガソリン車のパワーユニットは、アルファードとヴェルファイアで異なる(アルファードは2.5リットル・NA、ヴェルファイアは2.4リットル ターボ)。


 特にシリーズハイブリッド式を採用する2.5リットルハイブリッド車は、エンジンも駆動モーターも大幅な出力向上が図られ、システム合計最高出力も184kW(250ps)までアップした。燃費も先代の14.8km/L(WLTCモード)から16.5km/Lに向上。先代では設定のなかったFF仕様も選べるなど、選択肢の幅も広がっている。

2.5リットルエンジンとモーターが組み合わされるハイブリッドも、先代から進化。エンジンも駆動モーターも出力が向上している。先代では設定のなかったFF仕様も用意されるなど、選べる幅が広がっている。


 ヴェルファイア専用の2.4リットルターボ車は、先代の3.5リットルV6の代わりを担う上級ユニット。最高出力は279psと新型で最もパワフルな仕様だ。


 歴代から継承される豪華なキャビンも健在。当面、新型は7名乗りのみとなるため、2列目シートはキャプテンシートが基本。標準設定のエグゼクティブパワーシート(Z系に標準)と上級設定のエグゼクティブラウンジシート(エグゼクティブラウンジ系に標準)が選べる。


 標準のエグゼクティブパワーシートでも座り心地の感触や動作機能は先代のエグゼクティブラウンジシートに相当するが、新型のエグゼクティブラウンジシートは、伸縮オットマンやマッサージ機能、スマホ的な操作ができるリモコンも備わる。

現時点でラインナップされているのは、2列目シートが左右キャプテンシートとなるグレードのみ。
この写真はベーシックな方のエグゼクティブパワーシートになるが、シートの角度やオットマンの動作は電動になるなど、快適なキャビン空間を満喫できる。
新型アルファード/ヴェルファイアは、ドライバーズカーとしての性能を強化したことも特徴。運転席まわりもドライバーを包み込むイメージが強まっている。


■新型のグレードによる違いや選び方


 最近のトヨタのモデルは、ベーシックな“X”、中間の“G”、上級の“Z”の3つを基本にグレードを設定することが多いが、新型アルファード/ヴェルファイアに用意されたのは、“Z”(ヴェルファイアは“Zプレミア”)とその上の“エグゼクティブラウンジ”のふたつ。

左がアルファード、右がヴェルファイア。グリルとヘッドライトなどのフロントまわりのデザインが異なることで差別化されている。またエンジンラインアップや加飾レベルに差をつけることで、装備機能でもアルファードとヴェルファイアの違いが明確になっている。


 パワートレインは、アルファードは2.5リットル ガソリン車(Z)とハイブリッド車(Z系とエグゼクティブラウンジ)、ヴェルファイアは2.4リットル ターボ車(Zプレミア)とハイブリッド車(Zプレミアとエグゼクティブラウンジ)が用意されている。


 最もベーシックなアルファード“Z”のガソリン車でも車両価格は540万円(FF)。8人乗り仕様のベーシックグレード“X”がおおよそ350万円前後から狙えた先代と比べると、スタート価格は大きく上がった。


 安全運転支援機能のアップデートやボディ&シャシーの進化、材料費の上昇を考えれば多少の値上げは仕方がないが、従来のアルファード/ヴェルファイアオーナーにとって、敷居が上がったような感じがしてしまうのは仕方がないだろう。


 現時点のラインアップから選ぶなら、コスパ視点ならばアルファード“Z”で十分。シート地が合成皮革素材になったり、トヨタセーフティセンスの上級機能や上級オーディオシステム(JBLプレミアムサウンド)が装着されていないが、2列目シートもキャプテンシートでディスプレイオーディオもプラスが付くフル機能仕様。動力性能はターボやハイブリッドには見劣りするが、新型の魅力の大半を楽しむことができる。


 新型で大きく進化した走りも盛り込むならば、ヴェルファイアのターボ車“Zプレミア”か、両モデルに設定される“Z”のハイブリッド車がオススメ。ヴェルファイアの“Zプレミア”(655万円・FF)はターボ搭載と内装加飾が上級仕立て、ボディ補強の強化などが加えられたことで、価格はアルファードのガソリン車と比べると100万円以上も高いのが少しネックだが、動力性能は先代のV6に負けないほどで、ミニバンらしからぬキレの良いハンドリング感覚も、走り好きなユーザーにとっては大きなセールスポイントになる。

トヨタ新型ヴェルファイア
ヴェルファイアはフロントまわりの剛性部品を追加することで、走り出しから車両がしっかり動く応答性の良さを強化。アルファードとヴェルファイアを乗り比べると、走りの荷重のかかり方や乗り心地が明らかに違う。アルファードはコンフォート寄り、ヴェルファイアはスポーティ寄りな味付けだ。


 ハイブリッド車は力強い動力性能と優れた燃費性能のバランスの良さが魅力。アルファード“Z”が620万円(FF)、ヴェルファイア“Zプレミア”が690万円(FF)と、けっして手が届きやすいとはいえないが、ガソリン車と乗り比べると、納得できる価格設定だ。


 ハイブリッド車のみの“エグセクティブラウンジ”は、海外のショーファードリブンとも互角に戦える最上級を名乗るにふさわしい贅沢なグレード。アルファードの“エグゼクティブラウンジ”が850万円(FF)、ヴェルファイアの“エグゼクティブラウンジ”が870万円(FF)とZ系よりもかなり価格が上がってしまうが、最高を求めたいならば“エグゼクティブラウンジ”一択だ。

上級のエグゼクティブラウンジシートは、シートの前後の動きが電動スライドとなり、オットマンの長さが電動伸縮するなど、できる範囲がさらに拡大される。
シート操作は液晶リモコンで行う。
最上級グレードの“エグゼクティブラウンジ”の天井には、サンルーフや左右窓のサンシェードを操作するスイッチが集約されるスーパーロングオーバーヘッドコンソールを配置。操作性の工夫も見所のひとつ。


■トヨタ新型アルファード グレード一覧
































グレードパワートレーン変速機駆動方式価格(税込)
Z2.5リッター ガソリンエンジン(2AR-FE)CVTFWD
4WD
540万円
559万8000円
Z2.5リッター シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)電気式無段変速機FWD
E-Four
620万円
642万円
Executive Lounge2.5リッター シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)電気式無段変速機FWD
E-Four
850万円
872万円


■トヨタ新型ヴェルファイア グレード一覧
































グレードパワートレーン変速機駆動方式価格(税込)
Z Premier2.4リッター ターボエンジン(T24A-FTS)8速ATFWD
4WD
655万円
674万8000円
Z Premier2.5リッター シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)電気式無段変速機FWD
E-Four
690万円
712万円
Executive Lounge2.5リッター シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)電気式無段変速機FWD
E-Four
870万円
892万円

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