【2022年ドラフト総括】クジ運「最弱」岡田監督、意外に低評価だった近江山田、大阪桐蔭で明暗

2022年10月22日(土)11時0分 ココカラネクスト

 事前のドラフト1位公表が相次ぎ、面白み半減と思われたドラフト会議。フタを開けて見れば、「巨人—阪神」一騎打ちあり、無名すぎる隠し玉あり、逆輸入サプライズありと話題は盛りだくさん。育成を含め126人が指名された22年ドラフトのドラマ、トピックをまとめてみた。

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【セ・リーグのドラフト1位】
ヤクルト:吉村貢司郎・投手(東芝)

DeNA:松尾汐恩・捕手(大阪桐蔭)

阪神:森下翔太・外野手(中大)
→抽選で浅野×

巨人:浅野翔吾・外野手(高松商)
→抽選で当たり

広島:斉藤優汰・投手(苫小牧中央)

中日:仲地礼亜・投手(沖縄大)

【パ・リーグのドラフト1位】
オリックス:曽谷龍平・投手(白鴎大)

ソフトバンク:イヒネ・イツア内野手(誉高)

西武:蛭間拓哉・外野手(早大)

楽天:荘司康誠・投手(立大)
→抽選で当たり

ロッテ:菊地吏玖・投手(専大)
→抽選で荘司×

日本ハム:矢澤宏太・投手(日体大)

◆クジ運「最弱」決定戦?

伝統の「巨人−阪神」戦が、ドラフトで実現した。両球団が1位で高松商・浅野翔吾外野手を指名。2球団のみの競合、抽選は史上初めて。クジ運は、巨人原監督が過去1勝11敗(当たりは08年1位、東海大相模・大田のみ)、阪神岡田監督が過去1勝7敗(当たりは07年高校生1位、横浜・高浜のみ)。抽選にめっぽう弱い指揮官同士の対決は、先に引いた原監督が当たりクジをつかみ、連敗をストップさせた。

岡田監督はオリックス監督時代の10年に1位で早大・大石(西武)、外れ1位で東海大・伊志嶺(ロッテ)、外れ外れ1位で履正社・山田(ヤクルト)を抽選で外し、同一年度史上初の1位指名3連敗の記録を持つだけに、阪神監督復帰後の初仕事でも「外しっぷり」は健在だった。

◆「後出し」2戦全敗

事前に1位を公言した9球団がいずれも、公表した選手との交渉権を獲得した。7球団は単独指名に成功。巨人が公表した高松商・浅野には阪神が、楽天が公表した立大・荘司にロッテが、それぞれ競合の道を選んだが、「後出し」はいずれも抽選で敗れた。

今年は事前公表が過去最多を数える異例のドラフトとなったが、駆け引きも含めて「先手必勝」が近年のトレンドになっており、手の内を隠さない傾向は来年以降も続くかもしれない。

◆新庄流サプライズ連発

日本ハム・新庄監督は、ドラフトも独自路線で盛り上げた。1位では「二刀流」日体大・矢沢の一本釣りに成功。3位では、シーズン中から熱望していたメッツ傘下3Aの加藤豪将(ごうすけ)内野手(28)を指名した。

さらに育成3位では、山口アタル外野手(23)を指名。日本人の父、カナダ人の母を持ち、米テキサス大タイラー校中退という経歴で、球団公式サイトでは「フィジカルモンスター」と紹介されている。メジャー経験者の加藤だけでなく、海外出身でまったく無名の隠し玉まで「逆輸入」指名する新庄劇場だった。

◆「変わり種」連発

国際色豊かなドラフトだった。楽天は育成4位で、国立台湾体育運動大・永田颯太郎内野手を指名。愛知出身の永田は名古屋産業大へ進学後、海を渡ってプレー。同大は楽天で救援投手の宋家豪の出身でもある。

ソフトバンクが1位指名した誉(ほまれ)イヒネ内野手は、両親がナイジェリア人。育成7位では、京大の194センチ右腕・水口(みなくち)創太投手を指名。京大からの指名は、14年ロッテ2位の田中英祐以来2人目となる。広島は大阪観光大の久保修外野手(22)を7位で指名。聞き慣れない学校名や、選手名が飛び交うドラフトとなった。

◆甲子園のスター明暗

神宮大会、センバツ、国体と「3冠」の大阪桐蔭からは、捕手の松尾がDeNAから1位指名を受けた。一方、松尾とバッテリーを組み、U-18日本代表でも活躍したエース川原嗣貴投手、強打者の海老根優大外野手がまさかの指名漏れ。甲子園で通算11勝を挙げ、ドラフト上位候補にも挙げられた近江・山田陽翔(はると)投手は西武5位指名と、意外な?低評価だった。夏の選手権準々決勝で大阪桐蔭を撃破した下関国際(山口)の左腕エース古賀康誠投手(3年)は、楽天育成2位で指名された。

 甲子園で活躍したメンバーでは、ヤクルト村上の弟・慶太内野手(九州学院)、愛工大名電・山田空暉投手、市和歌山・米田天翼投手らが指名漏れとなった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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