残り2周でまさか......エンゲルがドラマチックなウエットレースで逆転勝利/マカオGTワールドカップ
2024年11月17日(日)17時44分 AUTOSPORT web

11月17日(日)、マカオのギア・サーキットで2024年FIA GTワールドカップのメインレースが行われ、メルセデスAMG・チームGMRのマーロ・エンゲルが(130号車メルセデスAMG GT3エボ)が優勝を飾った。
4番グリッドからスタートしたエンゲルは3番手に順位を上げたあと、首位争いを繰り広げていたアントニオ・フォコ(AFコルセSRL/83号車フェラーリ296 GT3)とラファエレ・マルチェッロ(TOROレーシング・パワード・バイ・MCG/1号車BMW M4 GT3)が絡むアクシデントで、両名が彼の目の前から消えたあとの終盤2周をリード。6.641秒差で2位となったアウグスト・ファーフス(チームKRC/89号車BMW M4 GT3)に先んじてトップチェッカーを受け、FIA GTワールドカップのタイトルを奪い取った。
土曜日の予選レースでポール・トゥ・ウインを達成したおかげでポールポジションからスタートしたマルチェッロは、日曜日の午前中に降った雨の影響で5周にわたってセーフティカーの後ろを走った後、残り11周のタイミングで訪れた実質的なスタートから終盤までレースをリードしていく。
スイス籍のドライバーは、同じくM4 GT3をドライブするBMWファクトリードライバーのドリス・ファントール(チームWRT/32号車BMW M4 GT3)が8周目にフォコに抜かれるまでBMWのワン・ツーを牽引。一方のファントールは3番手にポジションを落とした直後、マシンをウォールにヒットさせ足回りにダメージを負ってしまう。これでエンゲルが3番手に浮上した。
残り3周、首位マルチェッロの背後につけていたフォコが、最終コーナーでリーダーのインに飛び込みトップに躍り出る。しかし、テール・トゥ・ノーズ状態の2台は3コーナー“リスボア”への進入での攻防でわずかに接触。130号車メルセデスと83号車フェラーリはともにランオフエリアに飛び出してしまい、揃って勝負権を失うことに。
漁夫の利を得るかたちで3番手からトップ立ったエンゲルだったが、彼にはファントールのBMWへの追突について非があるとして、5秒のタイムペナルティが課せられることがファイナルラップで伝えられた。これにより2番手を走るファーフスにタイトルの権利が譲られることになるかと思われたが、フィニッシュ時の両者のタイム差はペナルティの秒数をわずかに上回っていたため順位は変わらず。よってエンゲルの優勝が決まった。
39歳のドイツ人ドライバーは、これでマルチェッロに続くふたりめのFIA GTワールドカップ・マルチウイナーとなった。なお、FIAワールドカップのタイトルが掛けられる以前のマカオGTを含めると同地では4勝目となる。
またコロナ禍の時期に行われたGTカップイベントを含めると、この勝利はメルセデスAMGのギア・サーキットでの連勝記録を『6』に伸ばすものとなっている。
エンゲルとファーフスに続き3位表彰台を得たのは、チームWRTのシェルドン・ファン・デル・リンデ(31号車BMW M4 GT3)だ。4位はアレッシオ・ピカリエッロ(アブソリュート・レーシング/911号車ポルシェ911 GT3 R)で、チームメイトのローレンス・ファントール(25号車ポルシェ911 GT3 R)が5位。33号車アウディR8 LMS GT3エボIIをドライブするクリストファー・ハーゼ(ファントム・グローバル・レーシング)が6位となった。
“ミスター・マカオ”の異名を持つエドアルド・モルタラ(SJM VSR・セオドール・レーシング/63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2)は7位で、8位にリカルド・フェラー(FAWアウディスポーツ・アジア・レーシング・チーム/36号車アウディR8 LMS GT3エボII)、9位には残り2周時点の時点でトップに立っていたフォコが入った。
FIA GTワールドカップで前人未到3度目の優勝と、今週末いずれも最速となった予選と予選レースに続き、メインレースの制覇を目指していたマルチェッロは終盤のアクシデントの後、ピットレーンでレースを終えている。
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