大神いずみ「サッカー一筋の長男が突然〈野球をやりたい〉と。ご先祖様のお導き?夫・元木大介は久々グラウンドに…」

2025年2月25日(火)10時30分 婦人公論.jp


元木家野球親子(写真提供:大神さん 以下すべて)

大神いずみさんは、元読売巨人軍の元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。2人の球児の母として伴走する大神さんが日々の思いを綴る

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前回「大神いずみ「サッカー少年だった長男が、ある日突然〈野球やりたい〉と。父・元木大介はすぐさまどこかに電話を…」」はこちら

「野球をやりたい」と言い出した


長男・翔大は日々サッカー少年として「オフサイドくん」と呼ばれながら練習に明け暮れていた。そんな時期。ある日のこと。

不思議なことに、翔大が突如「野球をやりたい」と言い出した。

その時のことを友人は、
「少し野球から遠ざかっていた大介をまた全力で野球に戻すために、ご先祖様方は息子の翔大に野球を始めさせたのだ」と言った。
おかげで大介は久々に野球のグラウンドに足を運ぶようになり、野球を子どもに教えることでふたたび野球が生活の一部になっていった。
夫が選手を引退した後、ふたたび解説の仕事以外でグラウンドに向かうようになったのは、たしかに翔大が野球を始めた時からだ。


「オフサイドくん」と呼ばれていたころの翔大

野球の道を息子に授けたように見えて、実は親の方が息子に「ありがとう」だったのだ!(友人曰くだが)
わー、ありがとう息子!

真新しい子ども用練習着とピカピカのグローブにバットを携えた翔大と、うれしそうにグラウンドに連れていく夫が迎えた最初の朝を、わたしはよく覚えている。

あの日からほどなくして、父は土日ごとに「鬼」になり、翔大は泣きながら父の指導にくらいついた。あっという間に野球に夢中になり、「プロ野球選手になりたい」と目を輝かせるようになった。
母の日のホームランに私は生まれて初めて天高く拳を突き上げた。
訳がわからず兄と一緒に連れて行かれるグラウンドの隅っこで、瑛介は虫やザリガニを獲りながら、当たり前のようにだんだん野球のボールを追っかけるようになり、そして今日に至っている。

突然の打診


明らかに、うちの家族は「野球」の道に導かれていった。

ご先祖様ぁ…。

いつのまにか野球の世界に家族もろとも、どっぷりずぶっと肩まで浸かって久しい、元木家一同。

翔大は高校大阪留学を経て、父も経験したことのない「大学野球」へ進んだので、私たち親も初めての野球の景色をドキドキワクワク楽しみにしていた…
まさにそんな矢先。

昨年の秋、リーグ戦が落ち着いて東海大学野球部が新体制になるタイミングで、翔大はマネージャーに転向することが決まった。

早い。

まだ大学に入学して1年も経たずに、選手を引退することになったのだ。
怪我や不調が原因でなかったこともあり、突然の打診に本人は相当悩み、迷い、苦しい思いをしたようだ。

選手生活のお別れ


まさかこんなに突然、選手を退く日がやってくるなんて。

前にも書いたことがあるが、
私はこれまでどの「卒団式」でも泣いたことがない。
野球が大好きで大好きで仕方ない息子たちが、次の新しい野球へ進むことへの期待の方が大きすぎて、楽しみすぎて、
卒団式という式典で一瞬でも涙を流そうという気持ちを、ゆうに上回ってしまうからだ。

だが今回は、突然そんな選手生活に「お別れ」がきてしまった。

以前からよく言うように、私は毎週ひーひーゼイゼイ、大変だ大変だと言っている割に、実際に打ったり投げたり、野球をやっているわけではない。
全然たいへんな思いをしていない。キツイきつい野球の練習や試合をやっているのは、息子たちなのだ。

だからそれぞれ野球を辞める時は誰がなんと言おうと自分で決めなさいよ。そう思っていた。
でもそれは、違っていた。
野球は必ずしも自分だけで決心して、始めたり辞めたりできるものでもなかったのだ。

親としてはなんだか、苦しい


かたや次男が関東大会を勢いよく勝ち進んでいく中、長男は選手引退、マネージャー転身の心を決めかねていた。

時間は少しかかったけれど、翔大は選手を辞めてマネージャーになる決心をし、いま毎日仕事を覚えることに専念している。これまた想像以上に仕事が多い。

時々電話の向こうで選手のバッティングの音が聞こえてくると、まだ親としてはなんだか、苦しい。

時間って、本当にお薬だ。

だけど野球を本当に辞めたわけではなく、今後野球にはマネージャーとして携わり続けるので、寮生活もそのままに、やっぱり大学野球は続いていくわけです。

わたしたちは応援してくよ、これからも!

だけどね…。
息子がしっかり前を向いて頑張っている傍らで、実はこの母が一番立ち上がるのに時間がかかってしまっている。
親である私が、情けない。

ああ情けない…。

婦人公論.jp

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