バイクのクイズ 第40回 付いてることを知らない人も? 画期的なカラクリを搭載していたスクーターとは

2025年3月6日(木)8時0分 マイナビニュース



日本では数多くの原付スクーターが販売されてきましたが、その中でも、ちょっと変わったカラクリを装備していたこのモデルは何という名前でしょうか?
ヒント:「スズキの原付」として長い歴史を持つモデルです
1990年代の人気モデル「セピア」の後継として登場したモデルです。このスポーティーなフロントカウル内には唯一無二のカラクリが仕込まれていました。
——正解は次のページで!

○問題をおさらい!
正解はこちら!
○【答え】スズキ「レッツ」
正解はスズキの「レッツ」(初代)でした!
「レッツ」はスズキが1996年に発売した50ccスクーターです。数回のモデルチェンジを経て、すでに30年近い歴史を持つ長寿ブランドですが、この初代モデルはとても面白いカラクリを装備していました。「バスケットイン」といわれる装備で、フロントカバー上部を開くことで13Lのバスケットを展開できる仕組みです。ヘッドライトは普通のスクーターのようなハンドルマウントではなく、カウルの先端に配置されていますが、これは荷物を載せたときに光が遮られないようにするためでした。
「レッツ」の先代モデル「セピア」は多彩なバリエーションを持つ人気モデルでしたが、スズキがその名を捨ててまで刷新した「レッツ」に対する意気込みは相当なものでした。“使いやすくて楽しい機能とデザイン”をコンセプトに、「バスケットイン」のほか、シート下の照明付き20L大容量ラゲッジやインナーラック、コンビニフックという収納力に加え、盗難防止機構の「スタンドロック」も装備。若者に人気の「LOFT」とのコラボモデルも展開しました。
とても魅力的なパッケージングで登場した「レッツ」でしたが、残念ながら大ヒットとはなりませんでした。その理由のひとつとして考えられるのは、わずか3カ月後に併売された「レッツⅡ」の影響です。「レッツ」の価格が14.4万円だったのに対し、「レッツⅡ」は目玉の「バスケットイン」をはじめとした機能を省略して9.98万円の低価格を実現。鈴木蘭々さんを起用したテレビCMの“キュウキュッパのレッツツー”というフレーズで認知度も向上し、「レッツ」といえば10万円以内で買える原付というイメージが定着してしまいました。
「レッツ」が登場した1990年代後半は証券会社や都市銀行が破綻する平成不況の真っただ中でしたので、主婦層をはじめとした実用ユーザーは何よりも経済性を求めていました。また、十代の若者たちにすれば収納はシート下のラゲッジさえあれば十分で、フロントバスケットは生活感丸出しでカッコ悪い装備品に見えたかもしれません。そのため、中古市場でも「レッツ」の個体は圧倒的に少なく、フロントが開いてバスケットになることを知らない人も多いようです。
こうして、フロントバスケットという便利な装備をスタイリッシュに搭載した初代「レッツ」は自社の「レッツⅡ」に押し出される形で姿を消しました。しかし、それと前後してヤマハ発動機からは「ジョグポシェ」や「ビーノモルフェ」、ホンダは「ディオチェスタ」、レッツシリーズでも「レッツバスケット」など、固定式とはいえデザインされたバスケットを備えたモデルが各社から登場していたことを考えると、そのコンセプト自体は間違っていなかったのかもしれません。
それでは、次回をお楽しみに!

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