荻原博子「買い物の<ついで買い>を防止して、無駄をなくす習慣を」車や保険、高額な買い物後は気が緩み、不要不急のオプションをつけがち

2025年3月21日(金)12時30分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

厚生労働省が公表している「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度の厚生年金の平均受給月額は14万6429円だったそう。「老後2000万円問題」も話題となり、老後の資金に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そのようななか「65歳からは、お金のことは心配ご無用」と話すのは、経済ジャーナリスト・荻原博子さん。今回は、荻原さんの著書『65歳からは、お金の心配をやめなさい 老後の資金に悩まない生き方・考え方』から、老後を豊かに暮らすための心構えを一部抜粋してお届けします。

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高額商品の「ついで買い」を防ぐ


買い物に行くと、なんとなく商品を買っていませんか?

これが知らないうちに「無駄遣い」になっている可能性は大です。

スーパーやコンビニで必要なものを買ってレジに並び、前の人が会計をしている間にレジ横に置かれているお菓子に手が出てしまう。お醤油が切れてスーパーに買いに行き、いつも使う醤油の横に「減塩醤油」があったら、「ちょっとこれも試しに買ってみようか」とカゴに入れる。そんな経験、誰しもお持ちだと思います。

これは、マーケティング用語で「テンション・リダクション効果」と言います。

「テンション」は緊張、「リダクション」は減少や消滅という意味です。

「忘れずにこれを買って帰らなくては」と目的を持って商品を探し、それを手にした達成感で緊張の糸が切れて、ほっとしてほかの商品を買ってしまうことを言います。

この「ついで買い」を誘発し、財布の紐を緩めさせることを目的に、企業はさまざまな工夫を凝らしているわけです。

レジ横のお菓子やスーパーの減塩醤油なら、それほど高くはありません。困るのは高額商品。「ついで買い」でも、かなりの価格になるからです。

保険の手口も……


たとえば、車が欲しいと思い、いろいろと研究して200万円で購入を決めた後に、販売員から「カーナビは、1万円アップするだけで機能がグンと上がりますよ」と勧められれば、「じゃあ、高いほうをつけよう!」となりがちです。

保険の手口も同様です。子どもを大学へ進学させるために、在学中に父親が亡くなるというリスクに備えて、1000万円の生命保険に入る人も多いでしょう。

そのとき、1000万円の死亡保障のほかに、「がんも怖いです」「成人病も怖いですよ」と勧められるままにオプションを付けたら、思いのほか高額の保険料になってしまったというケースがままあります。

目的の大きな金額のものを買った後は、大した金額のようには思えないので、気が緩んでついつい不要不急のオプションをつけてしまいがち。

通販サイトで、「あと1000円買えば、送料無料」「合計5000円以上買えば10%引き」などという宣伝文句も、「ついで買い」を狙ったものにほかなりません。

無駄を減らしたいなら「断る勇気」を


「いますぐ必要ではないけれど、買い置きしておけば、何かの時に便利かも」

買い物の時にそういう商品を欲しくなったら、次の言葉を思い出してください。


(写真提供:Photo AC)

「あってもいいな」は「なくてもいい」。

いますぐ使わない食べ物や商品は、冷蔵庫の中で賞味期限切れになってしまったり、どこにしまったのか忘れたりして、結局無駄になりがちです。

「たかが200円だから」と思っても……


「たかが200円だから」と思っても、1日おきに買い物に行って不要なものまで買っていたら、200円×15日で月3000円の出費になります。

これが1年続けば、3万6000円とかなりの額になるのです。

買い物に行って目的のものを買った後に、店員から「こちらも合わせていかがですか」と勧められると断れない、という人もいますが、無駄をなくす習慣を身につけるため、キッパリ断る勇気を持ちましょう。

お金の不安が消えるメッセージ
「あってもいいモノ」は「なくてもいいモノ」

※本稿は、『65歳からは、お金の心配をやめなさい 老後の資金に悩まない生き方・考え方』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

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