雷雨の中、オレンジ色の発光球が駐車場を駆け抜ける。珍しい「球電」現象か?

2025年5月10日(土)21時0分 カラパイア


X@FREEDOMWWGIWGA


 2025年5月初旬、アメリカ、テネシー州の駐車場で、雷雨の最中に発生した奇妙な現象が撮影された。


 映像には、雷が激しい光を放った後、駐車場内に現れた発光球が、不規則な動きで車の間を移動していったのだ。


 これは「球電」である可能性が高く、その発生メカニズムはいまだ完全には解明されていない珍しい現象だ。


落雷の後、丸い発光体が駐車場を駆け抜ける


 テネシー州ナッシュビルの駐車場で、驚きの光景が目撃された。この日は激しい雷雨に見舞われており、駐車場付近で雷が激しい閃光を放った。



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 その数秒後、オレンジ色の丸い発光球が地面を駆け抜けていったのだ。


 丸い発光球が転がり始めると、停めてあった複数の車のアラームが一斉に鳴り響いた。



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 投稿された動画の説明文には、「落雷の後、発光球が駐車場内を不規則に移動しながら、車のアラームを作動させ、ナッシュビルの周辺地域全体に電力の乱れを引き起こした」と書いてある。


 この発光体が地面を這うように移動したため、これが電子機器への干渉を引き起こし、車のアラームを作動させた可能性があるという。



未だ謎につつまれる「球電」現象


 この丸い発光球は「球雷(きゅうでん)」と呼ばれる、大気中を帯電し発光する球体が浮遊する物理現象である可能性が高いという。


 雷雨時などにごく稀に発生する珍しい現象で、古来から目撃情報が報告されている。。


 10〜30cmほどの大きさだが、中には1mを超えるものもあり、赤やオレンジ、黄色、時に青や白に光るものもある。


 空中を浮遊したり、建物の中を移動したり、壁をすり抜けるように見えることさえあるという。



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 では、この球電とは一体何なのか?


 最も有力とされる説のひとつは、「プラズマ説」だ。雷が地面や建物に落ちた際、周囲の空気中の分子がイオン化して、プラズマ状態となり、それが球状にまとまって発光しながら浮遊するというもの。


 他にも「ナノ粒子説」や「化学反応説」などが提唱されているが、これらの仮説は観測や実験によって十分に裏付けられておらず、現時点では確定的な説明には至っていない。


 実際、球電は非常に短時間しか現れないことが多く、ほとんどが目撃証言に頼るしかなかった。


 だが近年、監視カメラやスマートフォンの普及により、その姿を捉えた映像が増えつつあり、科学者たちの研究対象として注目を集めている。


 それでも球電の観測例は依然として少なく、今回のように雷との明確な関連性や電力系統への影響まで記録されている例は非常に珍しいという。

カラパイア

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