「熱中症」になったときの手当の仕方は? いかに早く体温を下げるか - 日本赤十字社神奈川県支部が解説

2025年5月22日(木)12時4分 マイナビニュース


日本赤十字社神奈川県支部が、熱中症の予防と手当について解説している。
○熱中症の症状とは
消防庁の報道資料によると、令和6年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員は97,578人。平成20年の調査開始以降、最も多い搬送人員だった。
熱中症とは、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで、体温や体液の調整機能が破綻した状態のこと。特に、高温、多湿、弱い風、輻射熱がある環境では、体の表面から空気中に熱を逃がす機能が弱まり、汗の蒸発が不十分になる。
暑熱環境にさらされた、などが条件で、「立ちくらみ、こむらがえり、倦怠感」といった症状がみられれば熱中症の疑いがあるという。ひどくなると意識がもうろうとしたり、体温が極端に高いなどの症状がみられることも。
○熱中症にならないための予防
熱中症にならないため、まず、屋外では日陰を選び、室内では扇風機やエアコンなどを使用することが望ましい。また、濡れたタオルなどでこまめに汗を拭き、吸汗・速乾素材や通気性のある衣類、帽子を着用するなど工夫し、暑さを回避できる。
喉が渇いたときはもちろん、渇く前、暑い場所に出る前からこまめに水分補給を行うことも重要である。なお、アルコールは体内の水分を排泄するため水分補給にはならないという。
急に暑くなる日に屋外で過ごす場合や、久しぶりに暑い環境で活動する場合は熱中症になりやすいため注意が必要となる。日頃から運動で汗をかく習慣を身につけ、暑さに備えた身体作りをしておくことが望まれる。
また、疲労や水分不足、肥満、慢性疾患、薬剤服用などの個人の条件も考慮する必要がある。さらに、部活動などの集団活動の場においては、自分だけでなく、周りの人々も熱中症にならないよう配慮することが求められる。
○熱中症の手当の仕方
1.熱中症が疑われる場合には、できるだけ早く涼しい場所や冷房が効いている室内で、衣類をゆるめて楽な姿勢にする。
2.意識があり、吐き気やおう吐がなければ経口補水液、スポーツ飲料か薄い食塩水などを飲ませる。
3.皮膚の体温が高いときには、全身の皮膚を濡らして風を送る。市販のアイスパックなどあれば、頸部、腋窩部(わきの下)鼠径部(大腿の付け根、股関節部)にあてて皮膚の直下を流れている血液を冷やす。また、頬や手のひら、足の裏を冷やすことも有効である。
体の冷却はできるだけ早く行う必要があり、重傷者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっている。
水分補給ができない、症状に改善が見られない、呼びかけに対する反応がおかしい、または全身のけいれんがあるなど、手当の判断に迷うような状態がみられる場合には、直ちに119番通報を行うことが重要である。119番通報後も、救急隊の到着前から冷却を開始することが求められる。また、反応(意識)がなく、普段どおりの呼吸がない場合には、一次救命処置の手順で手当を行う必要がある。

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