今は無き〝幻のメニュー〟がカップ麺で帰ってきた! 名店「博多だるま」監修の定番&限定をマニアが実食
2025年5月26日(月)20時30分 Jタウンネット
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百五十七回 セブンプレミアム「博多だるま」と「辛だるま」のカップ麺
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百五十七回目となる今回は、セブンプレミアムのカップ麺、「銘店紀行 博多だるま コク濃豚骨」と「辛だるま 旨辛玉子とじ麺」の2品を紹介します。
どちらのカップ麺も博多の豚骨ラーメン名店「博多だるま」監修。前者は常にセブンの店頭に並ぶ定番のレギュラー商品、後者は年に1度程度発売される期間限定の商品です。
定番「博多だるま」と期間限定「辛だるま」のカップ麺
「博多だるま」は、博多の豚骨ラーメンの名店。繁華街にある本店の他に博多駅ビルやキャナルシティにも支店があり、観光や仕事で福岡を訪れた人も食べる機会の多いお店ではないでしょうか。
かくいう筆者も、カップ麺がおいしくてお店に憧れを持ち、数年前に念願の「博多だるま」の本店と駅ビルのお店で食べることができました。
どちらも豚骨臭が盛大なクセの強い豚骨ラーメンですが、特に駅ビルのお店のクセは凄まじく、長年の間、人気が絶えないのも頷けるおいしさでした。
そんな「博多だるま」はカップ麺としてもおなじみの存在で、セブン-イレブンで古くからカップ麺化されてきました。
最初はどんぶり型の商品で、現在はタテ型カップ「銘店紀行 博多だるま コク濃豚骨」がレギュラー商品として店頭に並んでおり、元祖名店再現系カップ麺の「すみれ」や「一風堂」などとともになくてはならない存在となっています。
一方の「辛だるま 旨辛玉子とじ麺」は、年1回程度発売される限定カップ麺で、以前「博多だるま」が営んでいた「辛麺」専門店「辛だるま」の味をカップ麺で再現したもの。
「辛麺」といえば、韓国メーカーの「辛ラーメン」や、宮崎・延岡発祥のご当地麺で今や全国でもすっかりおなじみになった「宮崎辛麺」があり、さらにはカップヌードルのレギュラーフレーバーとしても定着しています。
「博多だるま」の「辛麺」はどんな味なのでしょうか。
「銘店紀行 博多だるま コク濃豚骨」食べてみた
まずは「銘店紀行 博多だるま コク濃豚骨」から。
「銘店紀行」は全国の名店の味をカップ麺で再現するタテ型ノンフライカップ麺シリーズです。
現在は「博多だるま」と「六角家」がレギュラー商品で、その他に期間限定の商品が発売されることがあります。
セブンの豚骨ラーメンといえば「一風堂」のイメージが強いですが、「博多だるま」も今回のタテ型カップの他に汁なしタイプの「豚骨まぜそば」が登場するなど、セブンでは確固たる地位を築いています。
表面に油脂を浮かせたとろみ強めの濃厚な豚骨スープはやや黒味を帯びており、商品説明によれば「豚骨の髄を炊きだしたような」スープとなっています。
豚骨の風味が感じられるとともに、とろみの強さが濃厚感を増幅させ、さらに油脂や背脂加工品を多めに浮かせています。
お店のスープは豚骨ラーメンとしてはかなり濃厚で背脂を浮かせてこってりしており、カップ麺でもその味を再現していました。
ただ、お店ではクセのある豚骨臭が大きな特徴ですが、カップ麺ではその再現はできていません。
豚骨臭は苦手な人も多いので、多くの人が手に取るカップ麺ではそこまで再現するのは難しいのかもしれませんね。
麺は、細くてストレート形状のノンフライ麺。
バリカタ食感や歯切れの良さに加えて、麺表面の粉っぽさまで再現。筆者は豚骨ラーメンの麺は明星食品がいちばん上手に作ると感じています。
具は、大量のチャーシューチップやネギ、キクラゲが入っています。
チャーシューチップとネギが大量で、ここまでの具だくさんなカップ麺はなかなかありません。
特にネギの青臭さが豚骨に負けないくらい目立っていました。
価格高騰のご時世の中にあって、定価税込267円で買えるカップ麺としては、他の追随を許さないレベルでスープの味、麺の質、そして具のボリュームが整った商品です。
「辛だるま 旨辛玉子とじ麺」食べてみた
続いては、「辛だるま 旨辛玉子とじ麺」。
以前「博多だるま」が営んでいた辛麺専門店「辛だるま」の味がカップ麺で再現されています。
「辛だるま」はこれまでにも何度か発売されており、さらに「博多だるま」カップ麺と同様、「辛だるま 豚骨まぜそば」という汁なしカップ麺も発売されていたこもあります。
宮崎辛麺は醤油味ベースですが、豚骨の名店・博多だるまが手掛けるこの「辛だるま 旨辛玉子とじ麺」は豚骨ベース。そこに味噌、豆板醤、コチュジャンなどを加えて辛麺スープに仕上げています。
特に特徴的なのはコチュジャン由来と思われる甘みで、辛さと合わせて少し韓国風と言えるかもしれません。
一般的な「宮崎辛麺」のスープよりだいぶ甘く、辛さは辛口程度で激辛レベルではありませんでした。
辛味や甘みの他にも、ニンニクや魚介の風味が感じられます。
特に辛麺としてはかつおだしの強さが印象的。目立つ主役の辛さや甘さの後ろから、後味でじわじわ伸長してきます。
一般的な辛麺のスープに比べてより複雑な味わいで、「博多だるま」らしく豚骨ベースなことに加えて、味噌味や強い甘みといったオリジナル要素の強いスープです。
麺は細ストレートのノンフライ麺。
「宮崎辛麺」のお店では、そば粉を使ったこんにゃく麺や、中細の中華麺、うどんなどから選ぶことができ、カップ麺で再現される場合は中細の油揚げ麺が多くなっています。
それに対し「辛だるま」では、博多風の極細ノンフライ麺が用いられており、ストレートに「博多だるま」らしさが感じられました。
辛麺のスープと博多麺の組み合わせを楽しめるのは、色々出ているカップ麺の中でもこの商品だけです。
具は、かきたま、キャベツ、もやし、ニラ、キクラゲ、粒ごまの組み合わせ。
かきたまやニラは辛麺らしい組み合わせで、キクラゲや粒ごまは「博多だるま」らしさ、そしてもやしは両方に属さない独特な存在となっています。
コチュジャンの甘みに共鳴するかきたまの甘みや、粒ごまの香ばしさが目立っていて、特に粒ごまはスープの味をさらに複雑で魅力的なものにしていました。
かきたまの黄色やニラの緑色が、赤いスープの中で映えているのも印象的です。
「辛麺」でも「博多だるま」らしさ
「博多だるま」監修のカップ麺2品。豚骨ラーメンの「銘店紀行 博多だるま コク濃豚骨」はもちろんですが、「辛だるま 旨辛玉子とじ麺」も随所に「博多だるま」らしさが感じられます。
両商品とも定価が税込267円で、名店再現系のタテ型カップ麺としては少し安価。しかし、スープのこだわり、ノンフライ麺、さらに具の充実はもっと高価なカップ麺の水準にあり、お得感を強く感じる商品でもありました。