開封した消毒薬はいつまで使えるの!? 現役医師が詳しく解説

2023年7月16日(日)17時0分 TREND NEWS CASTER

コロナなどの影響で、消毒薬はすっかり日用品の1つとなった。


どの消毒薬にも使用期限が書いてあるが、開封してもその日まで使えないことも多い。


消毒薬はいつまでに使い終えればよいのか、今回は解説する。


基本的に開封後約6ヶ月


そもそも商品に記載されている使用期限は、未開封の場合である。


開封後は、いつまで使えるのだろうか。


結論として、使用期限内において、アルコール消毒薬では開封後おおよそ6ヶ月使えるものが多い。


しかし、正しく保管・使用されていることが条件であるため、開封後は出来るだけ速やかに使用することが望ましい。



製薬会社の試験で、アルコール製剤500mL容器を、1週間に1回の頻度で製品のふたを開け、15mL廃棄し、ふたを閉じて室温で保存することを繰り返した。


その結果、6ヶ月後も製品として問題はなかった。


また別の製薬会社も、ポンプ式などのアルコール消毒薬の使用期限を6ヶ月と示している。


しかし、実際は6ヶ月より短い場合が多い。


人によって使い方が異なる


まずは、開封後の保存状況や使用方法により、使用期限が短くなることがある。


当然のことながら、使用条件や保管状況などは、人によって異なる。



製薬会社の試験は、直射日光に当たらず、室温で保管した場合だ。


室温とは、1〜30℃と定められている。


真夏の室内温度は30℃を越すこともあるだろうし、直射日光下にさらされる場合もある。


この場合、製薬会社の試験した条件からは外れてしまうため、6ヶ月の保証ができないのだ。


微生物汚染の可能性


次に、消毒液が微生物によって汚染される可能性もある。


使用中に容器の注ぎ口やキャップの内側に手指が触れてしまうと、微生物が付着する。



市販の消毒薬の中には、アルコールよりも消毒効果の低い成分のものもある。


その場合は、上記の製薬会社の試験よりも殺菌効果が弱いため、汚染する可能性も高い。


ちなみに、汚染した場合には速やかに破棄することが望ましい。


アルコールが揮発する


また3、消毒液を開封すると、アルコールが飛んでしまうことがある。



アルコールが揮発することで、ボトル内のアルコール濃度が下がる。


そうなると抗菌作用の十分な効果が得られないのだ。


開封したら早めに使おう


一般的には、消毒液の使用期限は6ヶ月だ。


しかし、さまざまな理由で半年も効果が持続しない場合も多い。



また、長期間消毒薬が残っているという状況は、十分な手指衛生が行えていないとも考えられる。


いずれにせよ、開封後は出来るだけ早めに使用することが望ましいのだ。


執筆者:あやたい


医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。


日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。

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