「ペヤングのそばめし」は、神戸の「元祖そばめし」に負けないくらい絶品だった!
2019年8月24日(土)10時50分 食楽web
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兵庫県神戸市が発祥の「そばめし」。そばとごはんを一緒に鉄板で細かく刻んで焼き上げる、炒飯のようなB級グルメです。聞いたことはあっても、案外、食べたことがない人も多いのではないでしょうか?
実は兵庫県生まれの筆者ですら、つい最近まで食べたことがなかったくらいです。なにしろ神戸のお好み焼き屋に行くと、イカ焼、すじ焼、豚玉焼きなど絶対食べたいお好み焼きがいっぱいあるので、「そばめし」にまで目が行かないわけです。今思えばバカでした。なぜなら、最近になって、「そばめし」が尋常ではなく美味しいことがわかり、猛省を余儀なくされているからです。
きっかけは、本場・神戸のそばめしではなく、ローソンで売っている冷凍食品「ペヤング そばめし」(340円)を食べたからなのです。「ペヤングソース焼きそば」でおなじみまるは食品と、冷凍食品や缶詰で有名なマルハニチロがタッグを組んで発売した商品です。
「ペヤング そばめし」
袋を開けるとコチコチでパラパラのそばめしがたっぷり入っています
早速買って家のレンジで7分チン。お皿に盛り付けると、見事にパラパラ。

ご飯の合間に“焼きそばのみじん切り”が入ることによって、パラパラ感だけでなく、ツルッとした食感も加わり、さらに全体にしっとり感もあります。そして食べてみると確かにソース味。でも焼きそばのようなヌルリべちゃべちゃとした感じではなく、炒飯らしいふんわり感もあって。もう「そばめし」最高じゃないですか!
というわけで今回、帰省ついでに、神戸市長田区にある「そばめし」発祥の店『お好み焼 青森』に行って、元祖「そばめし」を食べてきました。
神戸市長田区にある名店『お好み焼 青森』
ここで、「そばめし」の誕生秘話をご紹介しておきましょう。
『お好み焼 青森』が創業した1957年当時、お客さんの一人が、「そばやき」(焼きそばのこと)を注文した際に、自分の弁当の冷やごはんを一緒に焼いてほしいと注文したのがきっかけ。これが美味しいと評判になり、「すじそばめし」というメニューになりました。
『お好み焼き 青森』名物の元祖「すじそばめし」700円
本家の「そばめし」の味の決め手は、「すじ」と「ご当地ソース」。すじとは、牛スジとコンニャクを甘辛く炊いた通称「スジコン」のこと。これと、キャベツ、鰹節、天かすといった具材、さらにそば、冷や飯を鉄板に載せ、猛スピードでヘラで刻み、そばを木っ端みじんに刻みます。最後に地ソースである「ばらソース」で味付け。本家のそば&飯は、想像以上にパラパラで、ふっくら、しっとり。しかもソースの旨み、スジコンの深い味がハーモニーとなり、もはや“B級”グルメなんて思えないほどの芸術的な味です。
元祖そばめしは、“スジコン”が決め手
さて「ペヤングそばめし」に話を戻すと、「スジコン」は入っていませんが、こちらの具材は豚肉、キャベツ、ニンジン、紅ショウガ。でも、元祖に劣らず、しっかり、旨みを感じます。これは、ソースが美味しいからなんです。


調べてみると、この「ペヤングそばめし」には、ペヤングオリジナルのソースだけではなく、長田区のソースの老舗メーカー『オリバーソース』の「どろソース」が配合されているようです。「どろソース」とは、ウスターソースを作る際に沈殿した濃厚な部分を使ったコクの塊。これが、「ペヤングそばめし」の味の深さなんですね。
そばめしを食べたことがないという人は、ぜひ、この「ペヤングそばめし」を食べてみて下さい。きっと神戸にそばめしを食べに行きたくなるほど、魅力的な味だと思います。
(撮影・文◎土原亜子)