世界が注目! “クールジャパン”キックスのトップランナー「アシックス」の定番・新名作スニーカー5選

2024年11月8日(金)8時0分 JBpress

今や運動靴という枠組みを飛び越え、1つのカルチャーとしても世界中で愛されているスニーカー。その魅力である軽快な履き心地と個性豊かなデザインは、一流の革靴を日々の相棒とする読者諸氏をも魅了してやまない。ここでは“本物”を知る大人の男が選ぶべきスニーカーを提案する。

写真=青木和也 スタイリング=泉敦夫 文=TOMMY 編集=名知正登


“Anima Sana In Corpore Sano”

 この世の中には、本来の意味合いや用途とはまた違った捉えられ方で、人々から受け入れられるモノ・コトが数多く存在する。言葉はその最たるものの一つだ。

 古代ローマの風刺詩人であるデキムス・ユニウス・ユウェナリスが著書で記した、“Anima Sana In Corpore Sano”という有名なフレーズ(※原典ではAnimaはMensと記されている)。本来の意味としては“(もし神に祈るならば)健全な身体に健全な精神があれかしと祈る(べきだ)”となるのだが、時を経た現代では“体が健康であれば、心も自然に健康になる”と、断定する意味合いで広く知れ渡り、様々な場面で引用されている。

 だがしかし、こういった変化が誤りであるとは一概に言い切れない。創設者である鬼塚喜八郎が前述のフレーズに感銘を受け経営理念とし、頭文字(A・S・I・C・S)をブランドネームに冠する日本生まれのブランド。そう、今回のテーマである“アシックス”がまさにそうなのだから。

 スポーツによる健全な青少年の育成を目的にスポーツシューズの製造を開始し、様々なジャンルに挑戦しながら実直に積み重ねてきた開発の歴史も、今年で75周年。近年ではその独自性あふれる機能とデザインが注目され、トラッド、ストリート、モードの垣根なくファッションシーンでも支持を集めている同ブランド。今回は、世界に誇れるクールジャパンとして、スポーツという本来の用途とはまた別の視点から人気を集める“定番&新名作”にフォーカスする。

1.「GEL-PTG」


あの名作バッシュをデイリーユース仕様にアップデート

 本稿テーマに則したモデルの背番号1には「GEL-PTG」がふさわしい。1983年に発売されたバッシュ「ファブレポイントゲッター エス」のオーセンティックな意匠を踏襲しつつ、日常使いのライフスタイルモデルとして生まれ変わったアップデート機種だ。

 ヒールに搭載された“フューズゲル”テクノロジーでクッション性を強化するのみならず、ブラッシュアップは細部にまで及ぶ。外観は、シューレースを7mmから8mmの太さに変更してソフトな印象を加味。さらに肝心の履き心地に直結するインソールと中底を従来よりも柔らかな素材に。心地良い足入れと甲や小指の足当たりの改善により、快適な着用を叶えた。

 ここまでで3ポイント連続得点。しかも黒色無地のインソールで“シューズを脱いだ際の汚れが気にならない”という細かな気遣いでさらにダメ押し1ポイント。

2.「UB 10-S GEL-KAYANO 20」


キコ・コスタディノフのキュレーションによる美配色

 定番シリーズの中でも、多様なコラボレーションによりファッション界隈でもファン急増中の2モデルを続けてご覧に入れる。まずは初心者ランナーに必要なフィット性、クッション性、安定性を向上させ、フルマラソン完走をサポートする「ゲルカヤノ」の第20世代をベースにしたライフスタイルシューズ。

 アッパーの内外に補強材を網状に張り巡らせた“フルイドフィット”構造を新採用。足の動きに沿うよう最適に配置することで“足とシューズが一体となったような高いフィット性が維持できるアッパー”を具現化させた。しかも靴底に高いクッション性を発揮するGELテクノロジーを配しながら、安定性を高めるパーツや足運びをサポートするソールの意匠を組み合わせることでその特性を効果的に発揮する。

 これに東欧出身のデザイナー、キコ・コスタディノフのセンスが加わり、グレートーンのメッシュアッパー×ロイヤルブルーのアクセントが映える好配色にてリリース。

3.「GEL-NIMBUS 10.1」


雲の上を走っているかのような履き心地に先鋭的な佇まい

 こちらも「ゲルカヤノ」同様に人気シリーズから。ラテン語で雲を意味するニンバスを冠したモデル名が示すように、雲の上を走っているような軽やかでソフトな履き心地を提供するランニングシューズの10作目。オリジナルの初登場は2008年だが、これをベースにタウンユース仕様として再解釈したのが本モデルとなる。

 左右非対称のデザインやオープンメッシュ素材など、アッパーの各所にY2K後半の象徴的ディテールを散りばめ、ソールユニットには同じく2008年デビューの同期「ゲルカヤノ 14」のものを採用。二層構造のEVAフォームを用いたミッドソールに快適な履き心地をもたらす“トラスティックシステム”を備え、高度なクッショニングで足元を支える。

 光沢を放つネイビーがベースの黒を際立たせ、サイドパネルに刻まれた格子状のラインもまたフューチャリスティックな佇まい。晩秋の足元を軽快かつ先鋭的に魅せる。

4.「GEL-NYC 2055」


Y2K世代のランニングシューズ3足をマッシュアップ

 独自性あふれる機能とデザインでファッション界からも熱視線を浴びるアシックス。これに呼応するように、スポーツとは異なる文脈からも新たな名作が誕生している。近年のスマッシュヒットの筆頭株である「ゲル NYC」もその1つだ。

 シュプリームの元ディレクターでもあるデザイナー、アンジェロ・バクの手により、Y2Kのランニングシューズにオマージュを捧げた本モデル。2000年代初頭の「ゲルニンバス 3」から題を取ったアッパーに「ゲル MCプラス V」の要素を注入。足元を支えるツーリングには「ゲルキュムラス 16」のものを採用し、快適性を担保しながらも先進的なスタイルを追求している。

 この新色では、軽快かつクリーンな印象を与えるホワイトメッシュにメタリックシルバーのアシックスストライプを載せることで、見事に2000年代の空気感を演出してみせた。

5.「GT-2160 NS」


工業プロダクトのように美しく実用的なニューフェイス

 ラストは今季デビューしたばかりの新顔が務める。2010年代前半に発売された「GT-2000」シリーズの機能的なデザインランゲージを踏襲して開発された「GT-2160」だ。

 メッシュ素材のアッパーやなめらかなシルエット、さらに前足部に配された波状のデザインなど、当時の空気感を具現化したかのようなテクニカルな見た目とミッドソールのセグメント構造やGELテクノロジーの組み合わせといった技術面。その両方がシェイクハンドすることで、まるで工業プロダクトのように美しくも実用的な1足が誕生。

 しかもこちらは、自然界に見られる様々な色合いとアウトドアウェアの色使いからインスピレーションを得た“アースウェアパック”からのエントリー。シームレスなパーツ構築と同系色のカラーブロッキングによって、テッキーな姿にも磨きがかかっている。

筆者:TOMMY

JBpress

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