消費税「食料品1年ゼロ」、埋没回避へ苦渋の立民公約…党内賛否に野田氏板挟み「七転八倒した」

2025年4月26日(土)7時19分 読売新聞

記者会見で質問に答える立憲民主党の野田代表(25日、国会内で)

 立憲民主党が25日に時限的な減税を打ち出したのは、夏の参院選を前に野党各党が消費税率引き下げを訴える中で埋没を危惧したためだ。首相時代に消費増税を決めた野田代表は減税を求める党内の声に包囲網を狭められた形で、過去の政治姿勢との整合性を問う声も上がっている。(伊福幸大)

強まった声

 「悩み、困り、もん絶し、七転八倒した」

 野田氏は25日の記者会見で、食料品にかかる8%の消費税率を1年間に限って0%に引き下げる案を発表した際、自身の心情をこう吐露した。民主党政権下で首相を務めた2012年、社会保障財源を確保するため、自民、公明両党との3党合意で消費税率を段階的に10%に引き上げることを決めただけに、「社会保障と税の一体改革を推進したザ・当事者だ」とも強調し、減税を掲げることが苦渋の決断だったと明かした。

 野田氏は代表就任直後に臨んだ昨年の衆院選で、消費税減税ではなく、給付付き税額控除の導入を掲げた。最近まで減税を否定してきたが、物価高騰に米国の関税措置が加わり、党内でも消費税減税を求める声が次第に強まった。

 野田氏が今月13日に神奈川県内で演説した際、並んだ参院選の公認候補予定者が「最重点政策として、食料品の消費税ゼロを訴える」と独自に主張する場面もあった。参院選を前に国民民主党やれいわ新選組などが減税を掲げて支持を伸ばしており、「このままでは参院選は戦えない」(中堅)との声が広がっていた。

 財務省によると、食料品などに適用される軽減税率を0%に引き下げると、国と地方の減収は年間で5兆円程度と見込まれる。立民内には財政規律を重視する立場から、減税に反対する議員も少なくなく、枝野幸男元代表は同12日、支援者との会合で「減税ポピュリズムに走りたいなら別の党を作ってください」と減税派をけん制した。

苦い経験

 野田氏は首相時代に消費増税を進める際、反対派が集団で離党し、党分裂を招いた苦い経験がある。

 立民内で減税派と慎重派の対立が深まる中、野田氏は「再び党を割るわけにはいかない」と周囲に語り、消費減税の方針を決める党会合前に国会内で枝野氏と会談し、給付付き税額控除と減税をセットにする「妥協案」への理解を求めた。

 減税派は野田氏の決断を歓迎している。昨年12月に食料品の消費税0%を求めるグループを発足させた江田憲司衆院議員は記者団に「公約に盛り込まれることが決まりホッとしている」と述べ、減税を掲げる他党との選挙協力につながるとの認識も示した。

 一方、自民党の森山幹事長は東京都内で記者団に「消費税は最も大事な財源だ。下げるのが1年間の限定だったら、別にやれる方法があるのではないか」と批判した。立民内でも「他の野党と横並びになっただけで、目玉政策にならない。これまでの方針がぶれたと批判を招く可能性もある」(若手)と冷ややかな声も出ている。

 ◆給付付き税額控除=中低所得者向けに所得税の控除と現金給付を組み合わせた制度。消費税の一部相当分を控除し、控除しきれない分を給付する。消費税には所得が低い人ほど負担感が大きくなる「逆進性」があるため、その対策として立憲民主党は2024年衆院選の公約で導入を掲げた。

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