EU、27年までにロシア産天然ガスの輸入を完全停止…今年末までに輸入関連の新規契約を禁止
2025年5月7日(水)21時10分 読売新聞
EUの旗=ロイター
【ブリュッセル=秋山洋成】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は6日、2027年までにロシア産の天然ガスの輸入をなくす工程表を発表した。脱ロシア依存を進め、ロシアの戦費調達に打撃を与える。
ロシアによるウクラナイ侵略以降、EUはロシア産の化石燃料の輸入削減を進めてきた。
天然ガスを巡っては、侵略前の21年にEUが輸入した天然ガスのうちロシア産は45%を占めていたが、24年はいまだ2割弱を占める。
27年までの完全停止に向けて、欧州委は、今年末までにロシア産の輸入に関して新規契約を禁止する。
年末までに、加盟国に輸入削減に向けた計画策定も求める。スロバキアなど内陸国では、海上輸送でのLNG(液化天然ガス)輸入は難しく、ロシア産に頼っている。
また、ロシア産ガスの輸入企業に対し、数量などを欧州委に報告を義務付けて透明性を高める。
このほか、米国との関税交渉で、EUは米国産LNG購入の拡大を検討しており、脱ロシア産にもつなげる狙いだ。
フォンデアライエン委員長は6日、「今こそエネルギーの関係を完全に絶つ時だ。ウクライナのための義務がある」とコメントした。