その時、仮面が剥がれ落ちた…「機動戦士ガンダム」TV版でのみ描かれたやり場のないシャアの憤り

2025年4月20日(日)21時30分 ABEMA TIMES

 冷静沈着で常に一歩先を読み、戦場で感情を乱すことのない男……それが「赤い彗星」シャア・アズナブル(CV:池田秀一)のイメージだろう。だが、アニメ「機動戦士ガンダム」第41話では、そんな彼のイメージが変わる、たった1度の瞬間が描かれていた。

【映像】TV版だけでしか見られないシャアの感情爆発(18分29秒ごろ〜)

 「星一号作戦」が発動され、ホワイトベースを含む地球連邦軍とキシリア・ザビ率いるジオン公国軍艦隊が激突。戦闘はやがてモビルスーツ戦へと移行し、アムロ・レイ(CV:古谷徹)のガンダムはララァ・スン(CV:潘恵子)のエルメスと対峙する。

 戦いの中でアムロとララァの間には、ニュータイプ同士ならではの精神的な対話が生まれ始めていた。2人は言葉を超えた共感の中で、理解し合えるかもしれないという領域にまで達しかけていた。

 しかし、そんなやりとりを見ていたシャアは「ヤツとの戯言はやめろ!」と割って入り、ララァを現実の戦場に引き戻す。その後、シャアは「私はガンダムを討ちたい。私を導いてくれ!」とララァに懇願し、彼女はそれを受け入れる。だが、この判断が悲劇の連鎖の始まりだった。

 混戦の中、シャアはGファイターを叩き斬ろうとするが、ララァの「大佐!いけない!」という声で手を止める。パイロットが妹セイラ・マスだと、この瞬間にようやく気づくのだ。そして、その隙を突くようにアムロがシャアのゲルググに迫り、ビームサーベルで右腕を切り落とす。とどめを刺されるその瞬間、ララァがシャアをかばって飛び込んだ。

 ガンダムのサーベルは、そのままララァの命を奪った。シャアは思わず「うわあああ!」と絶叫し、操作パネルを叩きつけて悔しがる。それまでどんな局面でも表情を崩さなかった彼が、人間としての素顔を初めて垣間見せた瞬間だった。

 この激しい感情の爆発は、劇場版では静かに涙を流す演出に差し替えられており、シャアの“取り乱し”が描かれるのはTV版だけだ。仮面の下に隠していた心の奥があらわになった、唯一の瞬間。TV版でしか味わえないその“叫び”に、ぜひ触れてほしい。

 アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のロボットアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったが、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれた。以降のガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。2025年4月からは新作アニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」が放送中。

(C)創通・サンライズ

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