「こいつ、動くぞ!」をシャア風に言うと?「ガンダムジークアクス」で描かれるアムロ不在の世界線

2025年4月21日(月)12時0分 ABEMA TIMES

 4月15日より順次放送中のアニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」第2話には、ガンダムファンの記憶のスイッチを押す名場面がある。シャア・アズナブル(CV:新祐樹)が白いモビルスーツを発見し、コクピットを覗き込んだそのときだった。

【映像】アムロのセリフのはずが…(5分13秒ごろ〜)

 「やはり、動くか」——このセリフを聞いて違和感を覚えた人は、きっと初代「機動戦士ガンダム」を見てきたファンだろう。というのも、これはまさにアムロ・レイが初めてガンダムに乗り込んだときの名ゼリフ、「こいつ……動くぞ!」のポジションなのだ。

 しかし今回、その言葉を発したのはシャアだった。しかも、語調はシャアそのもので、妙に落ち着いている。感嘆ではなく、確信に近いトーンの「やはり」がまた“らしさ”を感じさせる。そしてこのシャアが、アムロのセリフを“自分のもの”として発するという構図が、視聴者の記憶の位相とシンクロする。

 もちろん、本作でアムロが「存在していない」と明言されたわけではない。父であるテム・レイの存在が描かれているため、少なくとも「存在している可能性」がある。だが、ガンダムに最初に乗るのがアムロではないという構造そのものがアニメ「機動戦士ガンダム」世代にとっては衝撃的なのだ。

 しかもその乗り込み方が、妙にスマートで落ち着き払っている。知らず知らずに引き寄せられてしまった感のあったアムロと違い、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」のシャアは自分が乗るべきものだという覚悟を持っているようにも見える。アムロのセリフとシャアのセリフ、似たような一言なのに、発する人物が変わるだけで、印象がこうも変わるのかと驚かされる。

 アニメ「機動戦士ガンダム」において、「こいつ、動くぞ!」は、アムロの成長物語の起点でもある。そのスタート地点を別の誰かが踏むという構造は、それだけで物語の重みが変わってくる。

 もし今後、アムロ本人が物語に登場することがあるならば、彼がこのガンダムにどんな思いを抱くのかもまた、気になるところだ。

 「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」は、1979年から続く「機動戦士ガンダム」シリーズの最新作。宇宙に浮かぶスペースコロニーで平穏に暮らす女子高校生のアマテ・ユズリハが、少女ニャアンとの出会いにより、非合法なモビルスーツ決闘競技《クランバトル》に巻き込まれていく物語だ。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズなど手がけるスタジオカラーとサンライズの共同制作が話題を呼び、テレビシリーズに先駆けて今年1月に公開された劇場版は、興行収入30億円を超える大ヒットを記録した。

(C)創通・サンライズ

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