夫の愛人から突然「あなたの旦那さんとつき合ってました」とDMが…夫の“ゲス不倫”を暴露した人気漫画家・楠桂が語る、不貞行為が発覚した“きっかけ”

2025年5月11日(日)12時0分 文春オンライン

『八神くんの家庭の事情』『鬼切丸』などで知られるベテラン漫画家・楠桂さんが3月、夫の不倫をSNSで明かした。夫は中学の同級生の元カノと10年以上の不倫関係を結び、彼の友人たちがアリバイ工作にも加担、「団体戦の不倫」をされていたという。結婚23年目に発覚した熟年不倫によって楠さんは不倫相手と対峙し、慰謝料も請求した。


 そして5月2日より、連載漫画『 サレ妻漫画家の旦捨離戦記 』をスタートし、現在は離婚して一人暮らしとなった楠さんに、熟年不倫と離婚について聞いた。(全2回の1回目/ 2回目 に続く)



漫画家の楠桂さん(写真=本人提供)


◆◆◆


愛人に離婚を迫られて不倫を自白した元夫


——3月、アシタカの画像とともに元夫の10年以上に及ぶ元カノとの「ゲス不倫」を暴露され、大きな反響を呼んでいました。


楠桂さん(以降、楠) スルーされるのが一番怖かったので、反響があったのは良かったです。


 ただ、想像より反応がすごかったので、自分でもちょっとビビっています。


——リアクションを期待していた?


 まあ、そうですね。不倫した側は不貞行為をなかったことにしようとするので、それが許せなくって。いつか白日の下に晒してやる、というのは心に決めていました。


——そもそも3年前に元夫の不倫を知ったきっかけは?


 元夫の自白ですね。


——そうだったんですね。


 愛人が彼に対して離婚を強く迫るようになっていたらしく、最後は「あなたから言えないなら私が奥さんに言いに行ってやる!」と脅してきたらしいんです。


 そういうタイミングで彼から私に「お別れしたい」と言ってきて。でも、「離婚といっても籍を抜くだけで、君と一緒に暮らしていくのは変わらないから」と言われたんですね。


——なんだか意味がわからないですね。


 そう。だから、「じゃあなんで離婚する必要があるの? 病気? 仕事がうまくいってない? 自己破産しそう? だったら私が助けるよ」とかっていろいろ問いただして。


——楠先生は不倫なんて想像にもなかったんですね。


 まったくですね。急に離婚したいなんて言い出すから、ただただ心配で。何か困っていることがあるなら言ってほしいと思っていたんです。それで結局、彼が「実は脅されて困っていて」と、不倫を白状しました。


 ちょっとややこしくなるんですけど、2014年に、愛人である夫の元カノから、「私、あなたの旦那さんと6年間つき合ってました」ってDMが来たことがあって。


「彼女とはかつて結婚の約束をしていた」夫と愛人はどのような関係だったのか


——3年前に不倫を知る前に、元カノから夫との不倫をほのめかされていた?


 そうです。フェイスブックのDMで彼女から連絡がきて、それがきっかけで当時、夫婦で揉めました。


 ただその時は夫が、「彼女が離婚して落ち込んでいたから元気づけるためにドライブとかに連れて行ってあげただけ。元カノだから君が気にするかと思って言えなかった」と言われて。


——楠先生はその話を聞いてどう思われましたか。


 そんな言い訳鵜呑みにできるはずもなく、「40過ぎの女が付き合っていたと勘違いするようなことをあなたはしたんでしょ」と言っていました。


 それでも彼を信じて許そうとしましたが、結局その後4、5年、私はずっとそのことを引きずって、“不機嫌な妻”だったんです。


——“不機嫌な妻”ですか。


 そう。でも、家でブスッとしている女より、いつもニコニコして自分のことを好き好き言ってくれる女の方が良いに決まってますよね。


 で、またいつの間にか元カノとの関係が復活して、3年前に不倫が明らかになった、ということです。


——元夫から謝罪の言葉はあった?


 2014年の時も3年前も、「本当にすまない。悲しませたことは一生償う」と言っていました。だけど結局、裏切られ続けましたね。


——元夫の相手は元カノということですが、楠先生はその方の存在を昔から知っていた?


 結婚前から聞いていました。彼の中学の同級生で、「彼女とはかつて結婚の約束をしていたけど、浮気してほかの男とデキ婚して、俺はこっぴどく振られた」という話でした。


 その話は地元では有名で、私も彼の友だちからも聞かされていたし、夫からも、「だから君は僕を裏切らないでほしい」と言われていて。


 自分を振った女が戻ってきて愛人に収まったというのは、夫的には気分が良かったのかもしれませんね。


夫の仲間たちが不倫のアリバイ工作をしていた


——不倫を知って、「あの時のあれは愛人と会ってたのか」みたいな出来事ってありましたか。


 あしかけ10年以上不倫されてたわけですけど、私は本当にまったく気づかなかったんですよ。夫には10人以上、アリバイ工作の仲間がいたんで。


——アリバイ工作の仲間とは?


 夫の不倫がバレないよう、一緒に偽装する仲間ですね。学生時代からの友人たちで、彼らも半分以上が不倫していました。


 皆どこか倫理観が欠落していて、「まあいいよ」って感じで彼に協力して。誰も火の粉を被りたくないから、私と面識があってもチクる人なんかいないですよね(笑)。元夫と愛人ともう一組の不倫カップル同士で旅行に行っていたことも後に知りました。


「宅飲みしてくる」夫と仲間たちが行っていた“団体戦の不倫”…その内容とは?


——具体的にどんなアリバイ工作があった?


 コロナ禍でいろいろ狂ったのかな。当時のどさくさ紛れで同棲までしていたことがわかったんですけど、まず、緊急事態宣言があったりして飲食店がやっていないので、「宅飲みしてくる」という日が増えたんです。で、「そのまま帰ると飲酒運転になっちゃうから友だちの家に泊まる」という日が増えていきまして。


——実際には友だちの家ではなく、彼女と同棲していた別宅にいた、と。


 そうだったんでしょうね。「皆で今飲んでるよ」みたいな写メがくることもあったんですけど、その場に一緒にいた愛人は写真のときだけは外れるみたいな感じで、“団体戦の不倫”が行われていました。


 あと、祭日は仕事が休みだったはずなのに、「俺の仕事に祝祭日は関係ない。忙しいから事務所に泊まる」という日もあって。


 彼が会社員だったら勤務先に連絡すればわかったんでしょうけど、個人経営だったので疑うこともなく、コロナ禍で宅飲みという流れも自然に思えたし、写真には友だちしか写ってないしで、まったく気づかなかったですね。


お財布が完全に別だったのも、不倫に気づけなかった理由の1つ


——そもそも楠先生も普段は仕事で忙しいですよね。


 正直、夫が不在だと私は仕事ができて楽だったんです。漫画の仕事が忙しくて、“満点の妻”ではない自覚はありました。「いなくて寂しい」ってタイプでもなかったし、「やった、今日も泊まりだ! 夕飯の手抜けるな!」「仕事を好きなだけやれる!」って感じだったんです(笑)。


 いいサイクルになっていたし、彼が週の半分いなくても、50代の夫婦ってこんなもんだよね、と思っていました。


——元夫はモテるタイプというか、女性に好かれる感じの方だったんですか。


 成績優秀な営業マンだったので、人当たりはすごく良いと思います。


 不倫してる最中も、結婚記念日とか私の誕生日、クリスマスは欠かしたことがなかったですし。だから本当に、わからなかったです。


——お聞きしていると、夫婦それぞれに仕事を持って、互いに自立した生活をされていた感じですよね。


 お財布も完全に別でしたし、お互いどれくらい稼いでいるのかも知りませんでした。それもまた、不倫に気づけなかった理由の1つでしょうね。


「私たちには特別な絆がある」と信じて疑わなかった理由


——楠先生は結婚当初、すでに売れっ子漫画家で有名人だったかと思うのですが、そのあたりで気を遣うこともあった?


 結婚当初は、「あれ取ってこれ取って」って言われて、あなたの方が近いのにと思ったけど大人しくやってましたし、彼が遅く帰って来ても、絶対に夕飯が食べ終わるまで付き合ったりして。


 当時、夫はまだ普通のサラリーマンだったので、陰で「逆玉に乗ったな」って言われたりしたらしいんです。だからこそ私はお金のことは口にしなかったし、彼を立ててやってきたつもりでした。


 最初は生活費10万円くらいは入れてもらっていたんですけど、流産や死産で大変だった時期にうやむやになって。家は全額即金支払いで私名義でしたし、当然、固定資産税の支払いも私でした。流石に貯金が無くなったので、生活費のために漫画を描いて忙しくしていたんです。


 夫には教育費と老後のお金をお願いして、夫婦だからそれでいいやって思ってました。


——ご著書の『不育症戦記』では、夫婦で流産や死産を乗り越えてきた様子が描かれていました。


 7回妊娠したんですが、不育症でそのうち流産3回、死産を2回経験していて。当時は支えてくれた夫に本当に感謝していたし、彼との特別な絆を感じていたんですよね。


「さすがに家空けすぎじゃない?」と言ったこともあったけど、あれだけ辛い死産・流産を乗り越えて子どもを授かった私たちには特別な絆がある、私たちは大丈夫と思って、疑ってなかったです。


離婚を完全に決意させた出来事とは…


——絆の強い夫婦だという思いがあったんですね。


 でも、不倫発覚後に夫から、私は土日もずっと仕事をしてたんで、本当は一緒に出掛けてほしかった、とは言われましたね。


 私は夜に2人で外食できたらそれがデートと思ってたけど、「あれはデートじゃないよ」って言われて。一方で、愛人は丸一日ドライブにつき合って、私がやらない釣りやゴルフも一緒に付いてきてくれる。それを君としたかった、とは言われましたね。


——SNSでは元夫が憎い一方、大好きだった、という気持ちも吐露されていました。


 離婚した今でもカオスですよ。「許したい」と「許せない」の葛藤の日々です。どちらも本音で本心で、でも結局、心の底から幸せだとは思えなかったから、離婚を選びました。


——不倫発覚後から離婚することは決めていた?


 夫の友だちで1人だけ不倫を教えてもらっていない同級生がいて、彼だけは“団体戦の不倫”を一切知らなかったんです。家庭も円満な方で、その方の妻とも仲良くしていたこともあり、彼の存在は私にとって救いだったんですね。


 でも連絡してみたら、自分だけ不倫を秘密にされていたことにショックを受けて、「何があっても僕は夫の友だちだから、悪いことをしてるとわかっていても彼の味方する」と言われて。


 夫の友人に不倫を止めてくれる人は1人もいないのかと絶望しましたし、ここから離れないときっとまた傷つけられると感じて、その2週間後に離婚届を出しました。


 私に離婚を完全に決意させたのは、まともだと思っていたその友だちさえも不倫に加担する、という宣言でした。それくらい絶望したし、縁切りを決意した出来事だったんです。


写真提供=楠桂さん

〈 「夫の愛人と会いました」「愛人から『死にます』と連絡が来て…」夫の“ゲス不倫”を暴露した人気漫画家・楠桂が明かす、不倫発覚から離婚までの経緯 〉へ続く


(小泉 なつみ)

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