“人生初リーダー”伊藤匠叡王、選んだ2人は斎藤明日斗六段、本田奎六段「全く気を使わない」/将棋・ABEMAトーナメント2025
2025年5月26日(月)11時0分 ABEMA TIMES

将棋の道で活躍したからこそ生まれた人生初体験だ。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」は5月24日にドラフト会議の模様が放送された。今大会で初めてリーダーを務めることになった伊藤匠叡王(22)は斎藤明日斗六段(26)、本田奎六段(27)という気心の知れた若手2人を指名。人生で初めて他人をまとめるリーダー役になったこともあり「面識のない方だとどういう感じかわからないので、本当に全く気をつかない方を」と指名理由を明かした。
藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)の八冠独占を切り崩した伊藤叡王。初防衛を目指す叡王戦五番勝負では、斎藤慎太郎八段(32)の挑戦を受けると第3局まで終えて2勝1敗とリード。26日に行われる第4局に勝利すれば、初防衛を果たすことになる。藤井竜王・名人に次いで存在感も増す伊藤叡王だが、同大会で初めて「リーダー」という立場を経験することに。「トップに立つという性格でもないので」と苦笑いしつつ「自分にそういう適正があるとあまり思えないですが、初めてなので楽しみな気持ちの方が大きいです」と前向きだ。

不慣れな立場だからこそ、仲間には見慣れた2人を指名した。斎藤六段は昨年度、棋王戦の挑戦者決定二番勝負まで進出するなど充実ぶりが光り、同大会の経験も豊富。「非常に軽快な将棋で、最近実力をつけられている印象があるので、今回の活躍を楽しみにしています」と頼りにしている。また本田六段もタイトル挑戦の経験があり「普段から早指しの将棋を得意とされているので、フィッシャールールの対局でも活躍を期待しています」と語った。
今年からチーム数は8チームに凝縮。各チームの顔触れを見ると、例年よりもベテランが減り中堅、さらには若くて勢いのある棋士の名前が並んだ。「思った以上にどのチームもかなり強力になっていて、なかなか厳しい戦いになると思います。予選突破も難しいかなという気もしているんですが、まずはメンバー全員が1勝をあげることを目標にしたいと思います」。かなり謙虚とも感じられる言葉が並んだが、いざ開幕した時にはあっという間に頂点へと駆け上がっているかもしれない、そんな力を秘めたチームが完成した。
◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)