「鬼滅の刃」が最高の興行収入、日本アニメ産業の市場規模は3兆円を突破―台湾メディア

2025年5月10日(土)15時0分 Record China

2日、台湾メディアの上報は、「『鬼滅の刃』が最高の興行収入、日本アニメ産業の市場規模は3兆円を突破」と題した記事を掲載した。写真は鬼滅の刃。

2025年5月2日、台湾メディアの上報は、「『鬼滅の刃』が最高の興行収入、日本アニメ産業の市場規模は3兆円を突破」と題した記事を掲載した。



記事は、「日本アニメは多くの人々に愛されており、日本文化に触れる入り口となっている。また、20世紀後半から現在にかけては日本の象徴的な存在となった。ここ10年、日本国内外においてアニメ産業は驚異的な成果を上げている。日本経済が『失われた30年』や新型コロナウイルスの影響を受ける中でも、数少ない成長を続ける産業の一つであり、そのビジネスチャンスは世界中に広がっている。24年6月4日、日本政府の『知的財産戦略本部』は『クールジャパン戦略』を策定し、日本文化関連産業の推進を目的にアニメと和食を重点分野として位置づけた。当時の岸田文雄首相は、関係閣僚に迅速な実施を求め、目標として33年までに関連産業の規模を50兆円以上に拡大することを掲げた」と伝えた。



また、「日本動画協会が発表した『アニメ産業レポート2024』によると、23年の世界アニメ産業の市場規模は3兆3465億円に達し、前年に比べて114.3%増加。これは過去最高の規模であり、増加額や成長率においても新記録となる。02年の日本アニメの市場規模1兆968億円であった。その後16年をかけて17年にようやく2兆円を突破したが、17年から23年まではわずか7年で3兆円を突破したことから、その成長速度は以前と比べ物にならないほど加速していることが分かる。また、23年の北米アニメ映画市場の統計によると、米国とカナダ以外の海外作品の興行収入は9334万ドル(約134億円)であり、そのうち全体の約86%を占める8170万ドル(約117億円)は日本作品だという。これにより、日本アニメが海外市場でも大きな存在感を示していることが分かる」とした。



続けて、「日本アニメがこれほど急速に成長できた背景には、ストリーミングサービスの台頭が大きく影響している。近年、NetflixやAmazonといった主要プラットフォームに加え、アニメに特化したソニー傘下のストリーミングプラットフォーム・Crunchyrollの成長も、日本アニメの世界的な普及に大きく貢献している。データによると、23年のストリーミング市場の規模は2501億円であり、前年に比べて1.5倍に拡大している。アニメ制作のコストが他国の映画やドラマに比べて低いことや、各言語に翻訳されたアニメがストリーミングを通し、世界中の誰もがリアルタイムで視聴できるようになっているのが強みである」と説明した。



記事は、「新海誠監督の『すずめの戸締まり』は、22年に全世界で3億2205万ドル(約500億円)の興行収入を記録し、21年の『劇場版 呪術廻戦0』も1億9588万ドル(約281億円)を達成している。さらに、20年の劇場版『鬼滅の刃』無限列車編は5億1000万ドル(約731億円)を超える興行収入で、日本アニメ映画史上最高の成績を収めた。ここ10年間で海外アニメ市場の規模は大幅に拡大しており、16年から23年に日本のアニメ企業とライセンス契約を結んだ国とその契約件数を見ると、上位は韓国(84件)、米国(62件)、台湾(61件)、中国(48件)、香港(44件)、カナダ(43件)である。欧米諸国に限れば、米国とカナダに続き、フランス(23件)、スペイン(20件)、オーストラリア(15件)の順となっている。アジア諸国にとって日本のアニメはなじみ深い存在だが、米国のアニメへの愛着は台湾をも上回っている。1990年代以降、『ドラゴンボール』、『ワンピース』、『NARUTO -ナルト-』、『鋼の錬金術師』、『進撃の巨人』などの人気作品が継続的に放送されてきたこともあり、日本アニメへの関心が高い」と論じた。



また、「成長が期待される市場として、近年特に注目されているサウジアラビアは、石油依存からの脱却を目的に『ビジョン2030』を推進しており、エンターテインメント産業に注力をしている。24年11月3日には、東映とサウジアラビア企業であるマンガプロダクションズが共同製作したアニメ作品『アサティール2 未来の昔ばなし』が日本で公開された。これはサウジアラビアと日本のアニメ産業の協力が具体化した象徴的な出来事である」と言及した。



さらに、「アニメだけでなく、キャラクターや周辺グッズの知的財産市場も急成長している。インドの調査会社・Data Bridge Market Researchによると29年までにアジア太平洋地域のアニメおよびキャラクターの知的財産市場は年間6.1%の成長率で拡大し、その規模は1474億ドル(約21兆円)に達する見込みである。日本企業もこれを見越し、積極的に出資を行っている。たとえば、伊藤忠商事はVTuber企業・ANYCOLORへの投資を行い、日本の人気漫画『チ。-地球の運動について-』にも出資。中国市場においてはムーミンブランドを独占的に展開し、これまでに小売、飲食、観光業など約100社にわたる顧客を開拓している」と述べた。



最後に、「ストリーミングやインターネットの普及といった要因に加え、世代の観念の変化も日本がアニメ大国となった一因である。20世紀後半には、多くの大人たちはアニメを子ども向けのものと見なし、関心を持つことはほとんどなかった。しかし、21世紀に入ると、アニメのジャンルはますます多様化し、社会問題や哲学的なテーマを扱う作品も増え、視聴者層が大幅に広がっている。近年は人手不足も重なり、労働市場はさらに厳しい状況に直面している。しかし、アニメ産業はこのような厳しい状況下でも揺るがず、むしろ再び絶頂期を迎えている。その優れた競争力から、多くの海外企業や国がアニメ産業に注目し、このアニメブームの波に乗って市場の先陣を切ろうとしている」とした。(翻訳・編集/岩田)

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