ニッサン・フォーミュラEのローランドがメキシコシティE-Prix優勝。好調ポルシェ勢を一網打尽に

2025年1月12日(日)7時18分 AUTOSPORT web

 1月11日、2024/2025年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11の第2戦メキシコシティE-Prixがアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開催され、オリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム)が優勝を飾った。


 2024年12月にブラジル・サンパウロで開幕を迎えたシーズン11。今年はパワーアップ&四輪駆動化の改良型マシン『GEN3 EVO』が導入されて勢力図が変化していくなかで、日本のニッサンが躍動した。


 第2戦の舞台となったアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは、F1が開催される場としても知られ、市街地コースを主戦場とするフォーミュラEにとっては数少ないクローズドサーキットのひとつだ。


 予選では、タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームのパスカル・ウェーレインがポールポジションを獲得し、僚友アントニオ・フェリックス・ダ・コスタがフロントロウを埋める2番手。ニッサンのローランドは、すぐ後ろの4番手グリッドにつけた。


 晴天のもと、メキシコの大観衆の前で切られたスタートでは、上位勢はまずは落ち着いた蹴り出しで周回が始まった。そこで4番手のローランドは、2周目の1コーナーで前のジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)を攻め立て、早々にポルシェ2台の背後に位置付けた。

2024/2025年フォーミュラE第2戦メキシコシティE-Prix 決勝レーススタート


 フォーミュラEでは、特定コーナーのアウト側に設定されたエリアを通過することで、モーター出力を向上させ、四輪駆動化することができる『アタックモード』の使用が義務付けられており、合計8分間のモードを2回に分けて使用することになっている。新導入の『GEN3 EVO』ではアタックモードのペース向上がより顕著になっており、今回はこのアタックモードも使い方が勝負を分けた。


 レース序盤、ポルシェの2台を先頭とする上位グループは、エネルギーマネジメントも想定される安定したペースで周回。そしてレース折り返しに差し掛かる15周目ごろになると、一斉に1度目のアタックモードを使用して争いが活性化した。


 首位が目まぐるしく入れ替わる攻防が繰り広げられるなか、オーダーはダ・コスタ、ジェイク・デニス(アンドレッティ・フォーミュラE)、ウェーレイン、ニコ・ミュラー(アンドレッティ・フォーミュラE)とポルシェパワートレイン勢のトップ4に変化。そこに開幕戦ブラジルE-Prixを制したミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)も加勢し、ニッサンのローランドは6番手までダウンしてしまう。

レース中盤をリードしたポルシェ勢 2024/2025年フォーミュラE第2戦メキシコシティE-Prix


 彼らは続けて2度目のアタックモードを使用し、ポルシェワークスVSカスタマーチームの直接対決が展開。ここではダ・コスタがリードをキープし、ウェーレインも2番手に戻るなどワークスチームに軍配が上がった。


 その争いを背後で見つめていたローランドは、ライバルらのアタックモードが切れたころに6分間のアタックモードを使用して追い上げを開始したが、奇しくも後方でクラッシュが発生したことでセーフティカー(SC)が導入された。


 これで満を持しての後追い戦略が潰えたかと思われたが、リスタートはローランドのアタックモードが終了する2分前に切られ、一気にこのSCランが恵みのチャンスに。


 隊列のギャップがなくなったなか、単独でアタックモードを使用しているローランドはポルシェ勢をごぼう抜きにし、一気に先頭に躍り出た。アタックモードが残されていないライバル勢は、ローランドに対してなす術なしの状況となり、首位に立ったニッサンのエースはそのまま逃げ切って今季初優勝を決めた。


 2位にダ・コスタ、3位にウェーレインが入ってポルシェワークスが両脇を埋めた表彰式では、ローランドの母国イギリスの国歌とともに、ニッサン・フォーミュラEチームの勝利を祝う日本国歌が流れた。


 フォーミュラE“シーズン11”の次戦、第3&4戦『ジェッダE-Prix』は、サウジアラビアにあるジェッダ・コーニッシュ・サーキットをショートレイアウトで使用し、2月14〜15日に開催される予定だ。

終盤、
一気にポルシェ勢を攻略してトップに立ったオリバー・ローランド(ニッサン・フォーミュラEチーム) 2024/2025年フォーミュラE第2戦メキシコシティE-Prix
2024/2025年フォーミュラE第2戦メキシコシティE-Prix 表彰式


■2024/2025年フォーミュラE第2戦メキシコシティE-Prix 順位結果





































































































































































Pos.No.DriverTeamTime / Gap
123O.ローランドニッサン・フォーミュラEチーム48’20.764
213A.F.ダ・コスタタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム+0.400
31P.ウェーレインタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム+1.855
427J.デニスアンドレッティ・フォーミュラE+2.000
525J-E.ベルニュDSペンスキー+2.965
67M.ギュンターDSペンスキー+3.507
72S.バンドーンマセラティMSGレーシング+4.491
821N.デ・フリースマヒンドラ・レーシング+5.164
951N.ミューラーアンドレッティ・フォーミュラE+6.070
105T.バーナードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム+7.234
1155J.ヒューズマセラティMSGレーシング+8.564
124R.フラインスエンビジョン・レーシング+9.305
1316S.ブエミエンビジョン・レーシング+9.806
1437N.キャシディジャガーTCSレーシング+10.821
1517N.ナトニッサン・フォーミュラEチーム+11.073
1611L.ディ・グラッシローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム+12.841
1748E.モルタラマヒンドラ・レーシング+14.044
1822Z.マローニローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム+15.277
1933D.ティクトゥムクプラ・キロ+15.693
208S.バードネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム+21.329
219M.エバンスジャガーTCSレーシングDNF
223D.ベックマンクプラ・キロDNF


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