王者フェラーリ、2022年LMGTEプロのラインアップを発表。F1開発ドライバーのアントニオ・フォコが昇格へ
2022年1月22日(土)11時22分 AUTOSPORT web

ファクトリーチームのAFコルセを通じてWEC世界耐久選手権・LMGTEプロクラスに2台の488 GTE Evoを送り込むフェラーリは1月21日、2022年シーズンを戦うドライバーラインアップを発表した。
2021年最終戦、ポルシェとの激闘と物議を呼んだ接触の末、ドライバーおよびマニュファクチャラー部門のタイトルを獲得した51号車では、アレッサンドロ・ピーエル・グイディ/ジェームス・カラドのチャンピオンコンビを維持する。
一方、52号車では、新たに25歳のイタリア人ドライバー、アントニオ・フォコを起用することとなった。フォコはダニエル・セラに取って代わり、ミゲル・モリーナとコンビを組む。
第3戦のル・マン24時間で加わることになるサードドライバーについては、今回は発表されていない。
フェラーリF1の開発ドライバーでもあるフォコは、2021年のWECにLMGTEアマクラスのチェティラー・レーシングから出場、第2戦ポルティマオではクラス優勝を遂げている。また、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ/エンデュランス・カップにはアイアン・リンクスから、同じく488 GTE Evoを駆り出場した。
2018年までFIA-F2にフル参戦していたフォコは、その後イタリアの国内レーシングシーンでGTカーのレースに参戦。イタリアGT選手権において獲得した2回のタイトルが、2021年のWECデビューを含めた国際的なスポーツカーレースでのドライブにつながった。
「正直に言って、この機会を得られてとても幸せだ。2019年から今日までの、クローズド・ホイール(GTカー)における成長の結果だからね」とフォコは語っている。
「このチャンスを得られてうれしい。2022年、チームとフェラーリに貢献したいと思っている」
フェラーリのGTEプロチームで3度目のフルシーズンを迎えるモリーナは、次のように述べている。
「新しいチームメイトとともに、WECのシーズンを迎えられることを喜んでいる。アントニオは昨年、LMGTEアマで素晴らしい仕事をし、非常にコンペティティブなドライバーであることを証明した」
「将来に向けて重要な時代に向け、僕らは勝利を目指して戦う準備ができている。昨シーズンの終わりに見せることができたパフォーマンスのおかげで、僕は楽観的だ。セブリングでシーズンを始めるのが待ちきれない」
「昨シーズンのダニエルの働きに感謝したい。彼は模範的なチームメイトであり、安定してとても速かった」
一方、昨年タイトルを獲得し、2022年も51号車のステアリングを握るカラドは、「期待は非常に高い」と述べている。
「アレッサンドロと僕は、3回目のタイトルを獲得するために、できる限りのことをするのは明白だ」とカラド。
「対戦相手のパフォーマンスが向上することは間違いないので、昨年よりもさらに努力する必要があると思う」
「コルベットも(フル)参戦してくる。彼らがどれほどの競争力を持つかは分かっているし、世界選手権における僕らの経験を最大限に活用するため、全力で取り組むつもりだ」
今回のフェラーリの発表により、2022年のLMGTEプロクラスをフルシーズン戦う、3メーカー/5台のドライバーラインアップが出揃った。
ポルシェGTチームの91号車ポルシェ911 RSRはジャンマリア・ブルーニとリヒャルト・リエツ、92号車ではマイケル・クリステンセンとケビン・エストーレが参戦する。
1台体制となるコルベット・レーシングからは、64号車シボレー・コルベットC8.Rでトミー・ミルナーとニック・タンディがフル参戦を果たす。